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鷲田さんのバトン

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鷲田清一さんの朝日新聞連載コラム『折々のことば」。 日替わりで、私の知らない人たちばかりが登場します。 鷲田さんは、読者と「彼ら」をつなげる役割。 だったら私は、「もっとつなげる…
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2023年9月の記事一覧

記憶に苦しむとき #鷲田さんのバトン

田近さんの言葉からは「戦時下においても勉強の価値に重きを置いていた当時の若者の心境」が窺えます。 「金銭という即物的なもの」には代えられないという強い思いも。 何より、自身の「働き」が少年兵の命を奪った「かもしれない」という呵責。 意に反する行為を行なった記憶に苦しむ人は、多いはずです。 「自分の信念を曲げることだけは、しない。」 実践するのは難しいけれど、誓うことから始めます。 現役高校教師 協会ページ https://t-c-m.my.canva.site/

せわしなくしているのは誰? #鷲田さんのバトン

星野道夫さんは、こんな人。 中3の教科書に随筆が載っているそうです。 極北近くに住む人たちにとって、自然の恩恵は想像以上の大きさ。 翻って、現在の日本に住む私たちは、小さな変化に一喜一憂しながらせわしない日々を生きています。 いえ、正しくは、私たちが「せわしなく」しています。 些細なイレギュラーを、許容できない。 結果として、大きな恩恵を体感できない。 コントロールできないできないものを気にしても仕方がありません。 そもそも「恩恵」をコントロールしようという発想が間

こんな相棒がいたらいいよね #鷲田さんのバトン

堤剛(つつみつよし)さんは、こんな方です。 音楽家、というより「今にも戦いを始めてしまいそうなおじいちゃん」。 河村尚子(かわむらひさこ)さんは、こんな方。 音楽家って、何歳になっても練習を続けるんだな・・・という当たり前の感慨を抱いてしまう。 「暮らしの中でももののいのちをまさぐる」って、いい表現だと思う。 料理人にとっての包丁。 大工にとっての幹のしなり。 音楽家にとっての楽器。 「その人」が一番長い時間をともに過ごして、 「その人」が常に細心の注意とともに働き