ラジオを買った - 「電波感」が懐かしい気持ちにさせてくれる
お風呂に、ラジオを買った。すごい安いやつ。
独身時代はシャワーばかりだったが、今は毎日湯船に浸かる。その時に、ぼんやり聞くために買った。
実は防水のスマートスピーカーを探していたのだけど、良いのがなく半ば妥協で買ったが、今のところとても気に入っている。
アナログだから出会える知らないラジオパーソナリティ
久しぶりにお風呂でラジオを聞くと、とても懐かしい気持ちになった。このアナログなツマミでチューニングして、受信できる局を探す、ということをやったのは何年ぶりだろうか。
普段Radikoで決まった局ばかり聞く自分だけど、このアナログなラジオは「放送局名」なんて出ない。しかも、周波数もざっくりしか印刷されていないので、ダイヤルをゆっくり回しながら耳で探す。
そうすると、いつもの局を探す途中で知らないラジオのパーソナリティに出会えたりする。
「出会う」という表現は割と正しいと思っていて、ラジオは一人のパーソナリティが淡々と話すケースも多く、それはどこか、視聴者である自分とパーソナリティの1対1の出会い、のようにも感じられて、つい聞き入ってしまう。
「電波感」に人を感じる
これがめちゃ安いラジオ、というものあるけど、ラジオの性質上多少のノイズが乗ったりもするし、音質は決して良くない。だけど、それがアナログラジオの良いところ。
ノイズが乗ったその音は、ちゃんと電波の向こうに人がいる感じがする。デジタルで録音された0と1の羅列より、声そのものの情報が乗ったラジオの「電波感」が、Radikoには無い良さだ。
車でラジオを聞くとき、だんだん関東から離れていくといつも聞いている局の電波が弱く雑音が多くなる。それを耳にしながら「ああ、だいぶ家から離れたなぁ」なんて思ったりする、そんな「距離感」もアナログラジオの好きな理由の一つかもしれない。
リスナーとのやりとり
また、アナログかどうかは関係ないけど、ラジオらしい「リスナーからのお便り」が多く取り上げられる感じも、テレビやNETFLIXの「作られたコンテンツ」より人を感じられる理由だと思う。
もう10年以上前、実家でラジオを聴いていた時に、
「私は中学生です。担任の先生には本当にお世話になって、(中略)感謝でいっぱいです。でも、もう卒業です。」
みたいなメールを静かにパーソナリティが読み上げていた。結構先生に感謝しているみたいで、熱い純粋な気持ちが語られてて、よいお便りだった。そしてそれを読み上げた最後、リクエスト曲が始まるところで
ラジオパーソナリティ「それでは、○○さんのリクエスト曲です。宇多田ヒカルで、First Love」
という流れに「おぉ..。」となったのを覚えている。
おそらくこのリスナーはその先生に密かな初恋をしていて、だけど、それをお便りの本文には書かずに、リクエスト曲のタイトルに隠したのだと思っている。粋すぎる。
パーソナリティもこの時、お便りに感想などを加えず、すぐリクエスト曲に移ったため、あの儚いメロディがお便りに後に流れ本文に書かれていたことの意味を改めて理解する、という感じになり、なんだか泣ける恋愛映画のエンドロールを見てるような、不思議な気持ちになったのを覚えている。
こんな記憶に残ることはあまりないけど、何年も前から変わらない、こういうリスナーとラジオのやりとりはとても好きだ。
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ラジオは最近視聴者数が減っている、という記事を読んだことがある。だけど、声を大にして言いたい。YoutubeにもPodcastにもClubhouseにも無いよさが、ラジオにはある。
いつも朝はSpotifyをかけているのだけど、明日は朝からラジオを聞こうかな。
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