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気持ち良い映像との出会い

私がデザイナーという職業を目指そうと思ったのは、高校生の時、日本のケータイが世界のどのモデルよりカッコよく思えたのがきっかけだった。(当時私が最初に持ったケータイはNokiaの白黒液晶のやつだった)

しかし、それより前にただただ「カッコイイ」ものに憧れていたものがあり、それが、細金さんの映像だった。このポストは私が高校生から憧れる細金さんのすごいとこを勝手に紹介する謎な記事です。

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当時ネット上で有名なモーショングラフィック作家たちが連作で作った動画。たぶん一番最初のパートが細金さん(2501名義)。

もう探してもあまり出てこないけど、当時(2007年あたり?)はFlashによるアニメーションづくりが全盛期だったと思う。

流石に今見ると歴史感じるけど、当時十分センセーショナルだった。そして、現在の様々なモーショングラフィックスはこのあたりが間違いなく原型となっている。

2501(当時の細金さんのハンドルネーム)が特にやばいと思ったのはこれだったかもしれない。特に1:14あたりのプラスマーク?が飛んでいくシーンや、1:30の走り出すシーン。

今見ても鳥肌が少したつぐらい気持ち良い。映像を通して音を見てるような感覚。

これも数年前のものになってしまったけど、たぶん彼の作品の中で一番好きなのはこれ。こんなにもエモい映像を撮れるというのもすごいけど、数秒ごとに変わるどの映像も、まるで音に合わせて演技してるかのようなシンクロ感がある。

2017年にモーショングラフィックスの巨匠が集まったAdobeのイベントがあった。スペシャルゲストに先日NFTで75億円の落札がされたBeeple氏が来ていた会。しかし、私にとっては細金さんが出ることの方がスペシャルで、それを目当てで聞きに行った。

(ちなみにこの時、「ファンです!」って言って本人と話してFb登録までさせてもらったのは、生きててよかったってやつだった。ちなみに、その時聞いたんだけど、弊社とした仕事が以前あったらしい。マジでその時入社してたかった。)

このイベントのとき、細金さんは映像を作るとき「音の波形、というより肌触りみたいなものを気にして映像を作っている」なことを言っていたことが印象的だった。

なんというか、「すごいダンサーが音を完璧に捉えて踊っているのを見てる気分」みたいなのが彼の映像にはあって、音が見えるだけじゃなくて、何倍にも増幅されて気持ちいいんだよね。

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で、「だから私も映像作家になりました」って話だと素晴らしいんだけど、そうはいかなかった。

作家を目指すほど作れなかったし、何度も映像作りにチャレンジしたこともあったけど、続かなかった。だから別に今デザイナーという肩書を名乗っていることと、この話は直接関係ない。

けど、最初に彼の映像を見てから15年ぐらいたった今、UIのトランジションや挿絵で使うアニメーションなどを作ったりする機会があって、そういうとき、「なんか気持ちよくないんだよな」って気づくことがある。

そうやって気づけたり、そこからチマチマ作り込めたりするのは、今までいろんな気持ち良い映像を見せ「自分で作ってみよう」と過去の私に思わせてくれた、偉大な映像作家たちのおかげなのだと思っている。

(とはいえ、私が一人で嬉しそうに1フレずつ手付けで調整しているアイコンアニメーションとかが仕事上本当に求められているのかはよくわからないし、表立って言ったこともない。。)

きっとこれからも色んな作家の映像に感動しながら、僅かながらそれを色んなアウトプットにこっそり混ぜて行くのだと思います。そうすると、なんだか自分も憧れる人たちの世界に関われた気がして、ちょっと嬉しかったりするのです。



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