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コロナ騒動の中で働く、私たち vol.1

コロナ騒動で働く女性の日常はどう変わったか。彼女たちは何を思っているのか。取材記録をnoteに残していきます。

取材1人目。ゆりさん(仮名)、製薬会社の本社勤務、人事担当、28歳。

1.会社の方針は出社禁止。でも実際は部署内で当番制の週1出社

「リモートワークに切り替わったのは3月半ば。社内全体に出社禁止の御触れが出ました。とはいえ完全に切り替えできているのは8割の部署。残りの2割は、部署内で誰が何曜日に来るか決めて週1出社しているのが現実です。その理由は2つ。

1つめは、これは私の仕事に限ったことですが、会社の窓口になっている部署でもあるので、代表電話に出なきゃいけないし、業者の方と対面のやりとりがあること。

2つめは、うちの会社は紙でやりとりする仕事が多い。ネットワークインフラが整ってないんです。平成の体質で今まできてしまったので、お客様や取引先のこと、社員のこと、契約書関係など、なにもかもの情報が紙で保管されていて。それを確認したり、上司にまわしたりする作業が必要。これができないことには仕事が進まないので、誰かが会社にいないと何もできません。

コロナ騒動の中で定時勤務からフレックスタイム制になりました。コアタイムが10:00からなので、出社日はそれまでに会社に着くように向かいます。通勤ラッシュのピークは避けられたとしてもそれなりに人が多い時間。普段に比べれば電車内も出社までの道のりも人は少ないですが、とはいえ意外と混んでるんですよね。通勤中のコロナ感染が怖いとは思わないです。むしろ同じように出社しなきゃならない立場の人がいると思うと少し安心。」

2.リモートワーク切替で会社が用意してくれたのはPCだけ

「リモートワークに切り替わったタイミングで全社員にノートPC(データカードセット)が支給されました。ただこの間ニュースにもなっていましたが、今リモートワークの人が増えた影響で電波状況がかなり悪く、ビデオ会議に支障がでることも多いです。社宅住まいなのですが、Wi-Fiは飛んでいないし個人で契約もしていないので、これだったら出社して仕事したいというのが正直なところ。

家では普段食事をするカフェテーブルにPCを置き、ぬいぐるみを座布団がわりに仕事をしています(笑)。仕事用のデスクと椅子を買わなきゃと思ってるけど、ひとり暮らし前提の部屋。置く場所はないし、買ったところでいつまでそれが必要かと思うと、金銭面のことも含めどうしたものかと悩みます。」

3.変わる日常、自分のこと

「年齢層が高く堅い雰囲気の会社なので、服装自由という規定はあるものの基本はセミフォーマル。特に私の部署は社外の人に会うことが多いし営業にも行くので、スーツやジャケットスタイルが多かったんです。でも今は社内の人にしか会わないので突然みんな服装がラフになりました。webで採用面接をするときだけはスーツに着替えるんですけど、上半身しか着替えてないです(笑)。

ピシッとした服を着なくていい。リモートワークでメイクもしなくていいとなると、どんどん女子力が低下。おまけに運動不足でふとるし、これじゃ彼氏できないな、と危機を感じています(笑)。今年中に彼氏を作ろうと意気込んでいたのに、コロナ騒動のせいで食事の約束をしていた人たちとはすっかり疎遠。出会いに使った時間が無意味になっちゃいました。

休日はジムに行ったり友達と食事をしたりするような生活だったんですけど、それらがすべてできないのですることがなくて困っていて。正直まつエクやネイルサロンに行きたくてたまらないです。今こんな状況でもお店はやってるんですよね。行こうかと思いはじめちゃってるくらい。何をもって不要不急なのか、判断に悩みます。」

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(取材日:2020/04/20)