見出し画像

「小学校のため」の保育をやめてみませんか?

年長児の担任をしていると、そろそろ小学校就学を意識し始める時期になりましたね。
就学まであと半年、就学説明会など就学に向けた行事なども入り始める時期・・・
担任としては
「小学校で生き生きと過ごしていける力が身についているか?」
「小学校ではどんなことに困るかな?そのために今できることはないかな?」
と考えて保育しているんじゃないでしょうか?

でもこの「小学校のため」の保育に違和感を覚えたので、考えてみたいと思います。




1.「小学校」を意識する理由

保育者の中に「小学校」の存在が大きくなる理由としては、
「小1プロブレム」の問題があると思います。
小学校で適用できないことが問題になり、
保育でも「架け橋プログラム」など小学校との接続を意識して行おうとするようになりました。
また、保護者からのニーズで小学校の先取りのような保育(幼児教育)を求められるようになったこともあると思います。

その結果、保育の中でも無意識に小学校を意識した活動が増えてしまうと感じています。


2.「小学校のため」の保育の問題点

「小学校のため」の保育が問題だと思うことがあります。

小学校での一斉授業を意識しすぎて、保育中に自然な遊びや好奇心の芽を潰してしまう可能性がある

ことです。

小学校での一斉授業を意識すると、こどもたちは「今」を楽しめなくなってしましいます。


3.「今を楽しむ」ことと「小学校への準備」との関係性

では、「今を楽しむこと」と「小学校への準備」は相反するものなのか?

もちろん、そんなことはなく、むしろ「今を楽しむ」ことが小学校につながっていくと思います。

「今を楽しむ」保育とは、目の前のこどもたちの興味や関心から出発した保育です。
興味・関心のあることからのこどもたちの学びがどれだけ大きいのかは、保育者の皆さんなら感じたことがあるはず。


4.保育の中で「小学校」を意識するときはいつ?

では、保育の中で「小学校」を全く意識しなくていいかというと、それも違います。
「小学校」を意識することは

保育を振り返ったり、保育者同士で話し合ったりするときには

とても大事な視点になると思います。

文字や数字に興味を持っているかな?
集中して活動する時間はあるかな?どれはどんな時かな?
友達と協力することで楽しめる遊びはあった?

など保育の活動やこどもの姿の振り返りに使い、
次の保育を考える手掛かりにするといいと思います。

そのときに大事なのは、
「今を楽しむ」こと

つまりこどもの興味関心などを活かした活動や関わりをしていくことだと思います。

また、今こどもたちが興味をもって取り組んでいることはどんな学びがあったり、
どんな力が育まれるのかということを保育者が見通すことも必要です。

例えば、今僕のクラスでは、おばけの絵と説明を紙に書いて、
「おばけ図鑑」を書くことを楽しんでいる子がいます。この子は、図鑑に書く文を考えたり、文字に対する興味が育っています。
このことは小学校での学びに生かされると思います。

このように未来を見通すことをすると、
「文字が書けるようになってほしいから、ひらがなドリルをしましょう」のようなというこどもの興味・関心からかけ離れた考え方にはならないと思います。

5.「今」を大切にする関わりのポイント

「今」を大切にして、小学校でのつまずきをなくすための関わりのポイントを
まとめると

  1. こどもたちの興味を起点にする

  2. 遊びや活動の中にある成長や学びの機会に気づく

  3. 振り返りで未来を見通す

この3つになると思います。

「小学校にむけて」「小学校のために」を起点に保育の活動やこどもへの関わりを考えるのはやめてみませんか?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?