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夜明けのスプーン



中学3年生の冬、私は家のベランダの手すりを乗り越えて、柵にしがみつきながら

「いける、できる、手を離せ、いけ」

とぶつぶつ言い聞かせていた。
思い返してもやばい奴だった。


実家のベランダから飛び降りたときの話


なにか大きなきっかけがあった訳ではないと思う。
小さいことの積み重なり。

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