夏と少年。あとセミ
先日のちょっと不思議な偶然の話。
注)セミの画像があります。
歩いてたら、近所にある 不思議な外観のマンションの前で、お札を握りしめた坊主頭の少年に「あっちの方で蝉が鳴いてるよ!」と話しかけられた。
初めて見る子。「きっと住んでる人も不思議な感じなんだろな」と勝手に思っていたので、こんな普通のちっちゃい子も住んでるのか~とちょっと驚いた。失礼な話だけど。
急いでいたのと暑さで頭がまわらなくて、少年が指さした方をぼんやり見ながら「夏だからね」と返した。
少年は私と並んで歩き始めたので、なにか話すかと思い「どこいくの?」「コンビニにおつかい」「そっか。」と他愛もない話をした。
すぐ分かれ道になったので「暑いから気をつけなね」と言うと
「でも、蝉は7日間しか生きられないから。」
少年は笑いながら言って去っていった。
なんと返したらよいか思いつかなかった私は、手を振りながら「そうだね」とだけ返した。
その少し先で少年が向かった道が見える場所があるんだけど、タイミングが合わなかったのかもう少年はいなかった。
それから姿は見ていない。
少年は無事にコンビニへたどり着けたのだろうか…( ˇωˇ )🎐🌻🍉
このへんまでTwitterにつぶやこうとしてたけど文字数の関係上連投しなきゃだし、そこまでして書くことでもないかと思ってたんだけど。
昨日の夜、帰宅したら玄関の前にセミがいた。
セ、セミファイナル……!!!
30秒くらい硬直しながら見つめていたけどお亡くなりになっているようで(それでも油断できない)、慎重に鍵を開けて部屋に入った。
朝もいた。
本当に亡くなっていた。
なんでセミって玄関先で息絶えること多いんだろう……と考えながら歩いて、少年と会った日のことを思いだした。ちょうど1週間前か……?とドキッとした(けど実際は10日前だった!)。
夜、帰ってからちりとりでセミを掬って「近くに公園あったよな」と近所をうろうろしていたら、遊歩道をみつけた。3年住んでて知らなかった。
歩道近くの木の下を軽く掘って、埋めようとしたら幹にセミの抜け殻がくっついていた。びびった。
埋め終えて木を見上げたら、たぶん羽化したばかりのセミがいた。
1本の木にセミの一生が流れているような気がして、感動した。
帰り道に気づいたんだけど、遊歩道があったのは
少年が「あっちにセミがいる」と指さしていた方角だった。
おしまい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?