アヒルと鴨のコインロッカーを読んで

皆さんはじめまして、ハルカです。

私は初めて伊坂幸太郎さんの作品を読みました。この本を読んで感じたことや自分なりの解釈を書きました。

〜あらすじ〜

大学進学を機に引っ越してきた主人公の椎名が、アパートの隣人と共に書店を襲うことになる話。

この本の3つの魅力

①主人公の感情

大学生になる主人公の椎名は、初めて出会う人達に対する感情や、もしこういう場面に自分が遭遇したら、恐らく椎名と同じ言動をするだろう、という読者からみてとても共感しやすい人物だと感じました。

例えば、入学式に行って友達を作る時には失態やマイナスポイントを見せないように、一緒にいられそうな人を探して、自分の居場所を確保する感じがとてもリアルでした。

②ストーリー展開

この小説では「現在」と「2年前」を交互に読むもので、この手の小説は初めてだったので読んでいて楽しかったし、続きが気になる状態で場面が変わる時があるので、もどかしい気持ちもありながら読んでいました。笑

③河崎という男

「現在」パートでは最初に主人公(椎名)に書店の襲撃を提案した人物であり、「2年前」パートでは女好きのよく分からない人物として出ています。

河崎がなぜあんな提案をしたのか、2年前との繋がりは何なのかをこの男を通して考える事がこの小説の魅力だと思います。

〜感想〜

私はまず、周りがどう思うかではなく自分がやりたいと思うことをやる河崎さんの生き方が自分には出来ないと思うので、とても羨ましく思いました。加えて、河崎さんは自分の容姿が整ってることを分かった上で、それを上手く利用している所が賢い方だなと感じました。

また、ブータンの因果応報の考え方で、良いことや悪いことをしたら現世か来世かは分からないけどいつか必ず自分に返ってくるというもので、彼らはそれを強く信じているからか、どこか心に余裕がある感じがしてとても良い考えだと思いました。

私は初めて伊坂幸太郎さんの作品を読みましたが、急展開がくるような小説ではないけれど、読み進めていく中で各登場人物の考えとか、情景を思い浮かべながら穏やかな気持ちで読み進められる小説だと思います。是非読んで頂きたいです。



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