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暗闇に咲くを読んで(ネタバレあり)

はじめまして、ハルカです。

今回は高橋慶さんの作品を読みました。高橋さんの作品を読むのは初めてです。

この本を読んで感じたことや自分なりの解釈を書きました。読んで頂けると幸いです。

〜あらすじ〜

亡くなった母親の美容室を継いだ小夏が久しぶりに会った従妹の芙美が母親の葬式に会った時と様子が様変わりしており、芙美との出会いが小夏の人生を大きく変える話。

この本の3つの魅力

①小夏と芙美の関係

小夏が芙美の瞳の異変に気づいてから、小夏の気持ちが揺れはじめます。小夏が芙美に対してどんな行動を取っていくか、2人の関係が物語を読み進めていく上で注目して頂きたい所だと思いました。

②暗い気持ち

時々変化する瞳を持つ人々は、過去に孤独や喪失、苦悩、絶望感などを体験したことからそのような状態になります。この様な気持ちを経験された方は閉じこもることや植物化に共感する部分があるのでは、と思います。

③彼らの行く先は

「彼ら」とは、植物化された人間を指しています。植物化して終わりなのか、そこから更に別の何かに生まれ変わるのか。そして、植物化は進化か進歩か。答えの無い問いを読者がどう解釈するかが、この本の魅力の1つになると思います。

〜感想〜

小夏に対しては、ストーリー中には瞳の事以外で小夏が芙美を好きになるきっかけは特に無かったはずですが、好きになっていたので、それほど瞳が魅力的で不思議な力を持っていたという事なのでしょうか。

私は文章中の瞳の表現から、宇宙ガラスを連想しました。あのガラスの中が動く上に色まで変化するなら、本当に綺麗だろうなと思います。

また、物語の中で起こる、植物化は私たちの世界で考えると鬱の様なものだと私は考えています。落ち込んだら殻に篭りたくなる気持ちはよく分かります。

鬱になって孤独に死んでいくよりも、植物化してでも最終的に美しく散れるなら幸せだと思います。

植物化になったとしても、成長しないと花は咲かないのでこれは進歩だと思う(思いたい)し、自分が現実で辛い事があっても、「これはまた成長の途中だ」と切り替えて立ち上がれる人間になれたらいいなと思います。

私は恋愛小説はあまり好んで読む人間ではありませんが、サカナクションの山口一郎さんがYouTubeのインタビューで「自分が影響を受けるものを自分で選んでいたら、都合の良い自分にしかなれない」と仰っていました。なので、私も作者やジャンルに絞らず色んな本を読んで、自分の目で色んな物を見ていく必要があると思い、読んでみました。

長々と書いてしまいましたが、この作品は想像したり考えさせられる事が多かったと感じました。読んで良かったです。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。







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