短編小説:地球の自転に逆らって
わたしは車を走らせていた
ふとカーナビを見ると、
車は西の方角に向かって進んでいるという
私は思った
そうか、私は地球の自転に逆らって進んでいるんだな
車は走った
地球は回った
私は車の中でふと、
どれくらいのスピードで走れば、
宇宙空間にピタリと停止していることになるんだろう、
と思った
そんなことを考えていると、
すぐに仕事場に着いたのだった
私は車を停めて、
車外に出て大きく息を吸い込んだ
そして地球はまた、
私がやって来た方向へ、
どんどん東へ東へと、
私を押し戻したのだった
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