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第九章:マボと3人の小人6 樫の木庵のマボ-大賢者ニルバーニアと双頭の魔女-(連続小説/児童文学)

「わあ、妖精の騎士と僕は友達になったよ、わーい!」
チャッピはあこがれの妖精の騎士と握手をして、友達になれと思い込んで大喜びです。何度も言いますが、マボはただの5歳の子供です。

バレエ・児童文学 イラスト 素材(バレエ チラシ用・クルミ割り人形)|遥ナル (note.com)

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「それにマボさんは妖精の騎士だけど、全然威張ってないんだね、とっても素晴らしい人だ!」
 チャッピがほめたたえました。その後、小人3人は肩を組んで円陣を組みました。
「やったね、やっと見つけんだ、妖精の騎士を!」
「足が痛くなってもあきらめずに探したかいがあったね!」
「うん、そうだね。これでミィちゃんも助かるよ!」
 と話し合いました。有頂天のマボはそんな大事な会話もあまり聞いておらず、まったく気にしませんでした。これは、のちのち大変な災厄を招きます。

「ねえ、マボさん、どうか僕たちの村にきてくれないかな。きっと村の人たちもマボさんがきたら大歓迎すると思うから!」
 このチャッピの申し出にマボは少しばかり困ってしまいました。モモとネネを早く見つけなくてはいけません。しかし、マボは小人の村というのを見たことがありません。一度くらい見ておかないと、今後、見る機会は訪れないとも限りません。
「少しだけなら…」
 なので、マボは少し考えてから答えたのです。小人たちは口をそろえて「やったー!」と叫ぶと、早速マボの手をデカとチビがそれぞれ引いて、小人の村を目指したのでした。

樫の木庵のマボ(第1巻 全話完結)|遥ナル (note.com)

マボ:5歳の男の子。少し臆病で控えめだが、優しい子供。家は貧しく、町はずれの傾いた掘立小屋で暮らしている。
モモ:5歳の女の子。おてんば、おしゃべりで元気な子供。施設育ちで、街一、二位を争う金持ちシュールレ奥さんにひきとられている。
ネネ:5歳の女の子。お金持ちの子供で、つんとおすまししたお嬢様。

ニルバーニア:めったに人界に姿を現さない大賢者。若い娘のような顔立ちだが、老婆のような話し方をする。動物(特に鳥族と仲が良い)と話すごとができ、様々な魔法を使うことができる。自宅のログハウスでは、猫のピッピをかわいがっている。

キッチュ:エルフの女の子。愛しのバブバブ坊やを探している。人間の子供を見つけると、虫に変えようとする。

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遥ナル
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