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【ネタバレあり】VR版『ディスクロニア』を終えて

はじめに

タイトルにある通り、ネタバレありです。というか、ネタバレしか書く気ありません。
なので、未プレイ・プレイ中・収集中の人は読まないことをオススメします。





これいつもどこまで余白取るか迷うのですが、一画面に映りそうなところまでで。

また、東京クロノス、アルトデウスについて言及する部分もありますが、できる限りネタバレではないように書くので、名前が出てきても怖がらないでください。

それでは、書いていきます。


練り込まれた大ボリューム体感ゲーム

今回、ほんとに「これ集めるの骨折れるぞ……」と思うくらいに収集、攻略要素が沢山あったのが印象的でした。
その全てを取らずとも先へは進めるが、取った分だけ作品としての厚みが増す。思い入れが増える。ことVR版をプレイするならば、体感したことの総量が自分にドガンドガンと積み重なっていくので、それこそ前作との繋がりを持つコインや、今作の裏側(語られていない部分)を保管するドキュメントなど、集めたあと、知ったあとにクリアするとまた味わいが深くなるんだろうなぁと。

そして、それだけ作り込むということは、プログラムのコード量、台本にするテキスト量、それらを組み込む工数などが圧倒的にかかっているということなので、制作陣のこだわりの塊に他ならないのですよ。
たびたびクオリティのために発売を延期し、作品コミュニティに属する人たちに「こんな感じで良くなっていってます!」と報告をいただいていましたが、多分「そこの工数分あるならこちらもここできるのでは……」と色んな試行錯誤が詰め詰めにされてるんだろうなぁ、と想像するくらいには、サービス精神旺盛な製作陣なので、ほんとに「ありがとうございます」以外の言葉は出ません。

感じたこと

他にも語りたいことは色々ありますが、銘打ってわかりやすくします。

おそらく苦慮したんだろうなぁ

今作、かなりゲームプレイの臨場感とプレイヤーの再プレイ時の体験とかで苦慮したんだろうなぁという部分が、メモリーダイブで感じられて。アクションを要するメモリーダイブは、手軽に試行できたほうがその場のプレイ体験としてはとても良くなるけど、一旦時間をおいてそこからプレイすると、何をどうすればいいんだっけ? となるので前座の説明が必要になり、失敗から再試行までが伸びる……。そして2回目以降、知ってる会話は飛ばしたいのでスクロール連打になり、そうすると没入感が薄れて作業感が増してしまう。
これ作り手側、かなり難しかったろうなぁ、とプレイしながら感じてました。

ゲームとしての表現

今作の中で特にこれを感じたのは、ノーマルエンド。ハルが死んでいる世界で、ハルの生きた未来を観測していたマイアだけが、ハル(プレイヤー)に視線を向けてくれるシーンからの一連。
ここ、自分でスクロール(会話送り)をせずとも自動で進行していくんです(設定によっては通常時でも自動スクロールするので自分の勘違いかもと思っていた)。

これが、自分という存在が世界に干渉できない(もっといえば、自分として時間を知覚しているのではなく、流れる時間をただ傍観する存在として自分がいる)ことを如実にプレイヤーに示してくるんですよ。
ほんとニクいなって思いました。

クロノスシリーズだなぁ

また、ゲームとしての表現はクロノスシリーズ全般で拘られていて、作品を追うごとに増していってるんですよ。
原点たる『東京クロノス』では、「VRゲームはキャラの身体(特に視界)を共有する」ことを表現に活かし、シリーズの躍進作である『アルトデウス』ではキャラ同士の「行動による選択」がキーポイントとして設定されていました。

その中でも、ディスクロニアで「クロノスシリーズだなぁ」と直感したのは、トゥルーエンドの最後のシーン。あぁ、これはクロノスシリーズなんだ。と自然と心に出てきました。
そして、思い返せばそのすぐ前。マイアの差し伸べてくれた手を取るシーン。自然に手を取る仕草が出るほど、自分は作品を体感してるんだ。というのが、前作を彷彿とさせてくれるものだったなぁと、書きながら改めて思いました。

ディレクターの言っていた『最初と最後』

これはディレクターである末岡まつおかさんがどこかのイベントで言ってたんですが、「最初と最後に大きな仕掛けをしました」と言われて。
自分はたしか、最初に白い少女から言われる「真実は、閉ざされた扉の向こうにある」が、その仕掛けなんだろうと。そして、閉ざされた扉というのは、物語の鍵を握る時計塔の大扉なのだろうと、思ってたはず(ちょっとメモがないので不確かですが、つまりは的はずれな予想をしてたんです)。
そしたらさ、本当に「最初と最後」に仕掛けてあるじゃん? トゥルーの要件満たしたとき「はっはーー」って唸りました。

全てに意味がある

これは本当にすごいと思った。推理モノなので、辻褄が合わないといけない、という点でも唸るところはあるんですが。
今作、かな〜りオシャレなんですよ。その中で、局長エレインが頭につけてる飾り。オサレかなぁ、オサレだなぁ、しかし! それだけではないのである! ってなったとき「やりやがったな!」って思いました。
また、各章で時の部屋(チャプター選択の部屋)に飾られているグッズ類。最初は「物語内とすこしテキストが違うの面白いな」くらいで見てたんですが、ラスト見てから「……思い出じゃね?」となり、思い出の欠片を繋ぎ合わせたら何か起こるの……? と駆り出されるという。
とても好きです。

まじ7days

今回この記事を執筆してるのが何故かというとだいぶここに行き着くのですが、ネタバレトークイベントがあったのですよ。2日前にトゥルーエンドまでクリアして、ホヤホヤの状態で来ていざ! とオープニングの7daysが始まったら、「この歌詞……あ、この歌詞も……うあああああ!(歓喜)」とマジですべてが詰め込まれてたことに気付いて感動してました。

さいごに

結論、めちゃくちゃ面白かった!

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