川、新緑、人生観
桜もほぼ終わりの東京を歩く
近所の小さな川の水面には
活き活きとした新緑と暖色の陽とが揺らいで
小さな風景画を見るようにしばし足を止める
空き缶が一つ 流されるまま 次第に小さくなり
遠い景色の一部になってゆく
「勝ち組」「負け組」という言葉があるけれど
川上に何か求めるものを見出し
流れに逆行しながら進み続ける人
日々の流れの中で一日一日汗を流しながら
川下の方へと辿り着く人
「流れに身を置いて生きている」
という点ではみな一緒であり
川上 川下に優劣がないように
それぞれの立ち位置で
環境を豊かにする一部を担っている
自分の目や耳が開かれさえすれば
いつでも必要なきっかけや答えをくれる
自然は偉大だな と改めて実感した春のある日
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