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Paintalkの挑戦



「スプラトゥーン甲子園の近畿大会に出ようと思ってて」


eBASEBALL実況でお馴染みの清水久嗣アナウンサーからその言葉が出た日

自分は清水アナと、そして『スプラトゥーン』NPBシリーズで中日代表だったきょう選手と一緒にイベントを行っていました。

話によると『パワプロ』中日代表であるぶんた選手(当時はまだ予選前の段階)も近畿まで来て出場しても良いということで、昨年放送席を同じくした2人が出るのならと自分もすぐさまOK。

ただ、当時の自分は正直まだまだスプラ初心者で(イイダというキャラクターが出るということで勇んで発売日に買ってはいたものの)たまーに友達とリグマする程度でした。

ぶんたさんもやりこみレベルでは僕と同程度で、清水さんもナワバリの知識はかなり持っていましたが歴は長くなく、チーム力不足は明らか。しかも4人チームにはひとり足りません。


そんな迷い羊3頭の前に現れた救世主がR4VEN(レイブン)さん。PNGesports所属ストリーマーである彼は全ルールXの猛者で、前述のイベントの様子を偶々見に来てくれていました。しかも話を聞く限りではこの度の甲子園は出場未定だったとのことで、声をかけると出場を快諾。

こうして待望のエースを獲得した我々は彼の気が変わらないうちにチーム結成にこぎつけました。『レイぶんた in ハルの清水寺(仮)』の始動です。


その後ちゃんとした命名会議を経てリーダーである清水アナを筆頭に「喋れる4人組」を前面に押し出した『Paintalk』とチームの正式名称も決まり、いよいよ甲子園対策の練習に臨むことになりました。

練習を始めてみて判ったのですが、R4VENさんは我々が思っていた以上の対面力を誇るガッチガチのエースであり、それと共にめちゃくちゃコーチング力のある方でした。プラベ運営や実況解説を務めるR4VENさんの知識量とそのフィードバック能力はすさまじく、甲子園8ステージでの戦略も組み上げてくれました。

各自のスタイルと得意ブキから「塗りの清水」「裏抜けのぶんた」「対面を通すR4VEN」という役割はハッキリしてきました。しかし自分はずっとこのゲームのヒット判定やジャイロエイムに苦戦しており、そんなところでエクスプロッシャーカスタムによる「全体のライン管理とサポート」に導いてくれたのは本当にありがたかった。エクスを振り出してからは練習も本当に楽しくなりました。


そこからはパワプロ勢にお手伝いしてもらいながらとにかくナワバリを回していた訳ですが、ここでひとつ我々に「大の苦手ステージ」があることが判明しました。

エンガワ河川敷です。

全体的に狭く対面を避けられないこのステージは甲子園の紹介でも「実力の出るステージ」と紹介されており、キル数を稼がずに塗り勝つことがメイン戦術であるPaintalkに対してハイレベルなウデマエの持ち主が向かってくるこの舞台は難関でした。

練習でも非常に低勝率だったこのステージの扱いに、ぶっちゃけ自分は悩みました。本番まで時間がない中でどこまで1ステージに拘った対策が出来るのか。

冷静に考えると最大の目標である「ステージ壇上」には5戦程度を戦う訳で、8ステージからランダム選出である以上、エンガワを「捨て」ることで勝てそうな他ステージに更に注力するという選択肢も頭をチラつきました。


それでも甲子園ステージ周回のナワバリで清水さんが「次どこやりますか?」と聞くとR4VENさんは「もっかいエンガワやりましょう!」と必ず再挑戦を促し、自分たちもそれに続きました。

敗戦から立ち回りを煮詰め、毎回どこが問題でどこが良かったのかフィードバックを繰り返し、ぶんたさんはメイン武器のパブロからこのステージではボールド7を担ぎ、ついでにエンガワの握りを5貫食べて縁起も担ぎ、R4VENさんもL3からではなくL3Dへの変更を直前で決めていました。


超大型台風19号の影響もあって開催を危ぶまれたNintendo Live Day2でしたが定刻通りの開催となり、関東のメンバーも無事に会場へ集まることが出来ました。初戦は隣でぶんたさんが頻尿手足ガクブル状態だったので大変心配でしたが、保護者さんチームを相手にR4VENさんがギッタギタに大暴れして勝利。

そして次の2戦目、ランダム選出が示したステージはエンガワ河川敷でした。

大会に向けて合宿を行ってきたという対戦相手との試合は膠着状態でスタートしましたが、中盤でR4VENさんのジェッパとぶんたさんのハンコが合わさり打開点を作ることに成功。その波に乗って全体でラインを押し上げる動きを実行し終盤戦まで五分五分の状況を作ると最後は決定的な1キルがR4VENさんのジェットパックにより生み出したのを確認し、僕も清水さんも徹底してきた「最大効率の塗り」を最後の1秒まで実行。前衛と後衛が噛み合い、見事に勝利をつかみ取りました。

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この勝利は近畿甲子園で行われた何百という試合の中で、ブロック2回戦というごくごく平凡な1勝だったかも知れません。それでも何気なく始まった我々の挑戦にとっては貴重で偉大で、最高の1勝でした。


次の3戦目ではブロック代表となったチームに圧倒的に押し切られ完敗。負け方としてはスッキリしていましたが、自分が俯き会場を去るのに対して相手が歓喜に湧くコントラストは大会に久しぶりに出場した自分としては懐かしくも受け入れがたい、無上の悔しさでした。

あの時清水アナに誘ってもらわなければ
きょうさんがR4VENさんを紹介してくれていなかったら
ぶんたさんが大事な時期に遠路はるばる参戦を決意してくれなければ
もっと強烈なチームにも入れるR4VENさんが親身に我々を助けてくれなければ、

あの渾身の一振りも、脱力するような悔しさも、パワプロ仲間と楽しくスプラトゥーンに興じることも、試合に勝って立ち上がってガッツポーズすることも、エンガワで17歳の若者にバチボコにシバきまわされて半狂乱になる経験も無かったでしょう。

何かに挑戦することも、無心で練習することも、苦手を克服することもすごく久しぶりだった気がします。

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我々Paintalkの挑戦はここで一旦終わりです。

会場でも配信上でも本当にたくさんの方が応援・祝福してくれて、殊勲の1勝は公式のメイン配信でも実況付きで取り上げられた充実の1日となりました。それぞれに課題と、そしてそれ以上の収穫も見つかりました。

ただ、我々にはやり残したことが、いや、塗り残したことがあります。もしかしたらこの4人組が、更なる進化を遂げて皆さんの目の前に現れる……かも、知れません。


近畿を制した皆さん、おめでとうございます。
練習にお付き合い頂いた皆さん、そして応援してくださった皆さん。本当にありがとうございました。また、イカした塗りあいをしましょう。


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