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NovelAIモデルが流出!? DL同人がAI戦国時代へ入るのはいつ?

こんにちは、DL同人作家のハルヒスキーです。

 AIはDL同人をどう変えるのでしょうか?
 2022年10月10日のお絵描き配信でのスライドです。




AIイラストのビッグバン


 Novel AIがリリースされてから、大量のAIイラストがTwitterやPixivに投稿されています。
 その多くは「キャラクターをAIで再現してみた」というタイプのものです。キャラクターによっては非常に高い精度で再現され、二次創作の絵描きには逆風の状況と言えるかもしれません。

 まだ、AIを「創作」に活用している人はそれほど多くない印象です。
 その理由として、SNSにおけるAIイラストへの反発の雰囲気があるのかもしれません。
 AIイラストがSNSに氾濫すると同時に、「AI絵師」を名乗る人々が現れました。これに対して議論と反発が巻き起こりました。
 Novel AI がDanbooru(無断転載サイト)を学習ソースとしていることよりも反発が大きかったかもしれません。

 個人的には、AIイラストを投稿する人を、「AI絵師」と呼ぶかどうかは、感情的なことであって、些細な問題であるように思うのですが、案外、Novel AIへの反発それ自体が、感情に基づくところが大きい…ということかもしれません。

 「初音ミク」のように、AIイラストを仮想のキャラクターが描いているという設定なら受け入れられたのでは?という意見もありました。
 たしかに、マスコットキャラAI「ノベル・アイ」が一生懸命に描いている設定なら、心情的に受け入れやすかったかも…?

「ノベル・アイ」のようなキャラがいれば良かったのかも?

 感情に基づく反発であるとすれば、それはやがて沈静化し、AIイラストは受け入れられていくかもしれません。

 そんなNovel AIですが、衝撃的なニュースがありました。
 なんと、Novel AIがクラッキングの被害に遭い、Novel AIのモデルが盗み出され、しかもそれが配布されてしまったのです。

 流出したモデルはすぐさま解析が行われ、現在ではNovel AIと全く同じ出力を得ることが可能になったばかりか、Novel AIのクローンサイトまで作られてしまいました。

 これによって、あらゆる人が、無料で、Novel AIモデルのクオリティで、AIイラストを出力することが可能になりました

 まさに、後戻りできないポイントを越えてしまったのです。


AI同人の急増。Fanzaの方針は「AI利用」のタグ付け


 AIイラストビッグバンの影響は、DL同人にも及んでいます。

 AI出力されたイラストを詰め込んだ「だけ」のDL同人作品が急増したのです。


 差分、セリフ、ストーリーなどは一切なく、いくつかは、手足が崩れて出力された画像すらそのまま詰め込んだものでした。

 これに対して、Fanzaが素早く対応を発表します。 

Fanzaからメール届く


・AI出力した作品については、「AI生成」のタグを必須とする。
・使ったAIサービスも説明文で明記する。

 増えすぎたAI同人への「タグ付け必須化」という規制に乗り出したのです。これは、AI同人に批判的な人々から、「排除検索できて助かる」と歓迎を受けています。
 どこまでがAI出力と考えられるのか? 背景にAI製画像を使った場合は?下描きは?モブは?体に使った場合は?などなど、境界線事例はいくつもあります。ですので、おそらくは一括してタグづけが求められるのだと思います。

 「AI生成」タグが付けられたら、低クオリティなAI同人と見なされて、排除検索されるかもしれない。だから、AI使用を控えよう。FanzaはAIを規制した――と考える人もいるかもしれません。

 私の考えは、これはAI規制やAI排除ではなく、むしろ、FanzaでのAI同人の販売にお墨付きを与えるものである、ということです。

 そして、低クオリティの粗製乱造が終わった時、本当に手描き同人とAI同人の戦国時代が幕を開けると思っています。


AI同人のクオリティは上がっていく


 今はまだ、粗製乱造の「出しただけ」のAI同人が溢れています。
 ですが、それらのAI同人が競合する結果、より売れるために、クオリティ競争が始まると思っています。

 セリフなしから、セリフ差分つきへ。
 差分なしから、差分つきへ。
 ストーリーなしから、ストーリーつきへ。

 つまり、普通のDL同人のような形にクオリティアップしていくと思われます。
 その時、そのノウハウを持っているのは、これまで手書きで作品を作ってきた、DL同人作家だろうと思うのです。

 DL同人作家が、本気でAIを使い始めた時、AIはその強みを十全に発揮し始めると思います。高品質なイラストが超高速で作られていくことが、強烈な アドバンテージになります。

 そして、それを販売することは、「AI生成」タグによって、Fanzaに認められているのです。AI利用そのものを禁じているSkebとは好対照です。

 AI同人と手描き同人の競争は、もうすぐそこにまで迫っています。



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