『海の向こうでこんなこと言われた』#11
「いいえ23よ」『テンペスト』エジンバラ公演3日目。
プロデューサーから
『初日の舞台を観て、君の絵を描きたいと言ってる画家がいるらしいんだけど、えっと名前はジョン・ベラニーさん。受ける?』
「え、ああいいですよ、楽屋入りに間に合えば」。
翌朝10時、ホテルロビーに現れたのは体格がよく目の鋭い髭面のおじさん。僕の顔をじっと見て、辺りをキョロキョロ。ロビーには僕一人。
「ベラニーさんですか?」
『イエス、フーアーユー?』
「ジョーです」
『ジョー?‥プロスペローをやった?