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東北芸術工科大学の「夏芸大」へ!鹿野先生の社会人向けアンリアルエンジン5のセミナーに行って来ました。

東北芸術工科大学の「夏芸大」へ!

鹿野先生の社会人向けアンリアルエンジン5のセミナーに行って来ました。

 

山形にある東北芸術工科大学に初めて行って来ました。20年以上前に初めて山形国際ドキュメンタリー映画祭に行って、その沼にはまり、そこから2年ごとに毎回、山形の映画祭に行くようになりました。2年に1回秋に山形に行くのを楽しみにしていたのですが、コロナで状況が変わりました。2021年はコロナ禍で行くのを断念。そうして、昨年もどうしても都合がつかず行くことがかないませんでした。2023年と2021年に行けてなかったので、2019年以来5年ぶりの山形。大阪から行くのは初めてです!関空から仙台空港へPEACHのLCCが飛んでいて格安で移動でき、しかも仙台から山形までは高速バスで1時間くらいで到着、値段も1000円で移動できるのを知りました。

以前からアンリアルエンジンを映像に応用してエンタメコンテンツが作れるのではないか?と思っていました。そのきっかけはアンリアルエンジン5の登場でした。東北新社が電通クリエーティブXやヒビノといっしょにやっているヴァーチャルスタジオ「メタバースプロダクション」

(いわゆるVFX IN CAMERAの技術)はそのアンリアルエンジンの技術を応用して作られていることを知りました。このアプリケーションは無料でダウンロードできます。しかも100万ドル(現在だと約1.5億円)くらいの収益を上げないと映像の制作もゲームの制作も課金されないそうです!コロナ禍の時に、東北新社の部署横断的な勉強会の「TFC LAB」でアンリアルエンジンの話とヴァーチャルスタジオ技術の話を聞いてとても興味を持ちました。実は2年ほど前に、一度テストでアンリアルエンジンを使った講座ができないか?と検証してみたら、なんと普通のPCではなかなかちゃんと動かないことを確認し、PCパワーが必要だと実感しました。会社を辞めて仕事などに使うためのややハイスペックなMOUSEのPCを購入しました、NVIDIAのRTX3070というGPU(グラフィックボード)が搭載されています。

 並行して、今年になって大学院の授業で情報システムの講座を受講しました。情報システムとは?のそもそもから始まって、実際にPythonを動かすために、ChatGPTなどを駆使してコードを書いてもらいます。そして、Pythonで統計分析をしたり、ゲームやアプリなどを作って見るという講座でした。その時の教員の丸橋先生がアンリアルエンジンに興味をもっておられ自主的な勉強会をしようということになり私も参加表明をいたしました。(2024年9月からそろそろと始める予定。)そのための準備もあって私のPCにアンリアルエンジン5.1をインストールして、恐る恐る触り始めてみました。今回のこの講座を申し込んでいたので事前にちょっと触ってみようと分厚いテキスト「Unreal Engine 5で極めるゲーム開発:サンプルデータと動画で学ぶゲーム制作プロジェクト」(5940円)

とYouTubeの動画を見ながら少しだけやってみました。ゼロからモデリングをしてなどというのは、私にできるはずもなく、端からあきらめていました。アンリアルエンジンの運営会社であるエピックゲームのマーケットプレイスというオンラインの市場みたいなものがありそこに様々な、動物やランドスケープの素材、建物などの素材が売られています。もちろん無料のものもたくさんあり、手始めにYouTubeにもあったアフリカの動物たち、そして草原や樹木、雪山の素材などを組み合わせて手探りながら作ってみました。こうした既存の素材をアセットと言うのですが、そのアセットを組み合わせて5秒くらいの動画を作ってみました。アフリカの草原みたいなところに一本だけ木が生えていてその下に象さんがいて餌を食べています。遠景にはキリマンジャロではないですが雪をいただいた山が見えます。というもの。

まずはランドスケープに草を生やしていきました。フォリッジという機能(?)でいくつかの草のアセット(素材)をランダムに配置していきます。私のPCだとやや反応が遅く慣れるまでは戸惑いました。で、山の素材の上の方に雪山素材を乗っけて、象さんを配置してその横に木を植えます。大体、配置が決まったらライト(太陽の位置)を設定します。影が長くなる低い位置に太陽を配置しました。象さんの肌が照かって見えます。そして影とのグラデーションが象の立体感を強調します。そして、それらが出来たらカメラの設定をして5秒でどれくらいカメラを移動させるのか?さらには、カメラアングルやレンズの設定などの調整をしていきます。それらがすべてできた時点でそれらを書き出すと動画として出力されます。

書き出し素材のデフォルトは、私はあまりなじみのないAVI形式です。(MOVやMP4ではありません)。

もう一度流れを説明すると、
1,アセットを集める、
2,地面を作る、
3,そこに草や木を配置する、
4,動物などを配置する、
5,ライティングを行う、
6,カメラのアングルを決め、カメラの移動なども決めていく。
7,それが出来たら動画として書き出す。

というプロセスです!

実はこれはまさに実写の撮影もほぼ同じです!

美術さんが建込をして、そこに小道具やグリーンを配置して人物なども配置していく。ここでは人物などの演技というのはいったん置いておきますが(逆に動物などは自由に演技をつけられる?笑)そうして実際の撮影ではライティングの前にアングルとカメラの移動などを決めていきますが、ここは自然な太陽光でのONE LIGHTがベースになっていますので光の位置を決めていきます。ロケの場合はまさにそうですよね。(しかも時間関係なく太陽の位置を変えられるという自由さ!)実はアンリアルエンジンはライトのセットもあり(実写だとライト機材のレンタルはむちゃ高い、カメラもですが)いくつでもライトを持って来てライティングもできるそうです!しかもライトが映りこまない!(笑)

なので、このアンリアルエンジン5は実写の撮影をされていた方には違和感がなく直観的に操作ができるようになるのではないでしょうか?しかもその世界があるリアリティを持った状態でレンダリングの待ち時間がほとんどなくリアルタイムに近い状態で試行錯誤できます。

 だいたい、これくらいの理解度で今回の社会人向け講座「夏芸大」に参加しました。(参加費:4000円)私が参加したのは8月29日。

台風10号のサンサンの動きがどうなるのかわからないので、いろんな予定の変更などをしてそのたびにチャリンチャリンと課金されていくという現実。実際までもがリアルなゲームのようになっていくようでした。(笑)今も仙台空港で大阪に戻る飛行機が遅れに遅れていて大阪に着いても終電が終わっていて帰れない!という状況がほぼ決定!という状態でこれを書いています(笑)。(結果、関空から橋を渡った泉佐野までタクシー移動5000円!ビジネスホテルに宿泊しました7800円!翌朝は、御堂筋線が電車故障で不通という…。笑)

「夏芸大」の講座は10時半から13時20分だったので山形市内に前泊しました。仙台へ向かう朝一の便のPEACH便の予約をしました。台風も移動が遅れていて大きな遅れもなく移動出来ました。始発電車に乗って関空へ向かい、朝の7時20分のフライトに乗り8時40分くらいに仙台空港に到着しました。今回は久しぶりの方々に会うので、空港でお土産を3つ買いました。仙台空港からは列車が運行しておりそれに乗って仙台駅へ!マクドナルドで朝マック。その後県庁の近くにある大学のゼミの後輩の星くんが経営している会社を訪問しました。星くんは昨年から画廊を初めて私の描いたイラストを販売してくれています。イラストをTシャツなどに印刷して注文販売するサービスもやってくれます。

 星くんの画廊のあるビルの地下にあるタイ料理屋「タイラックタイ」でランチ。エビチャーハンとタイラーメンに野菜炒めとデザートが付いて1000円という高コスパセット。星くんと別れて、いままで機会がなく行ったことがなかった「せんだいメディアテーク」へ行きました。有名な建築家の伊藤豊雄さんの手になるもの。衝撃的だったのは館内にある図書館スペースの一部で2011年3月11日の記憶を途切れさせない活動をされている展示でした。地域の人たちのあの時の記憶を録音してアーカイブしたり、映像や写真の膨大な量がスクラップされて展示されていました。物理的な量を見て圧倒されました。そして、このメディアテークの図書館が震災後に棚の本が散乱している写真は私にとってものすごく印象的な写真でした。

そこから広瀬通りに移動して山形行の高速バスに乗りました!今回の大きな発見は仙台と山形は高速バスで1時間で行けてしまう!ということ。しかも片道1000円。往復の回数券だと1800円となります。途中の高速道路が空いていて快適です!あの道路のおかげで山形は仙台の郊外の街のような感じになっているのだと思いました。東北芸術工科大学の在校生は今や宮城県からが山形を抜いて一番多いそうです!仙台から高速バスの定期で大学に通っているそうです!私の大阪の家から大阪芸大や京都芸大までも実は、2時間かかることを考えると、この1時間の移動はとても楽ちんであることがわかります。

 山形に到着して山交バスターミナルで下車。JAやまがたが運営している生産者直売所に行って山形の果物の詰め合わせをお土産で宅配をしてもらいました。その後、七日町に移動してホテルにチェックイン。ステイイン七日町というホテル。ホテルに荷物を置いて、山形に来ると必ず行く、居酒屋でもありお蕎麦屋さんでもある駅前の「なか乃」に行きました。大阪土産を持参して。いつもの味。5年ぶりの訪問でしたがお店のおかみさん(「まきちゃん」とみんなは呼んでいます)が私のことを覚えてくれていました。2003年に初めてこの店に行ってから21年が経ったかと思うと感慨深いです。

 翌朝、台風の影響もなくホテルで豪華な朝ごはん(500円!)を食べて、山形市役所前から東北芸工大行きのバスに乗りました。30分くらいすると高台の丘陵地に到着。広大な敷地の中に美術館のようにも見える美しい東北芸工大の建物が見えてきました。エントランスがすばらしく水が張ってありこのメンテナンスは大変だろうなと思いながら、こうした芸大としての美意識の高さを自然に醸成することで優秀な卒業生を産んでいるんだろうな!ということを実感するのでした。

朝の10時に「夏芸大」の受付が始まりました。PeatixのQRコードを読み込んでいただくというスタイル。

案内の用紙とエコバックをいただき、アンリアルエンジンの講座の教室があるF棟へ!鹿野教授がお手伝いしてくれている学生さんとたくさんのPCを立ち上げて準備をされていました。「おはようございます」とあいさつをすると鹿野さんが私をしばらく見て「山下さん?」と言っていただき覚えていただいていたことに感謝でした。たぶんお会いするのは20年ぶりくらいだったかもしれません。SNSでつながっているので時々、鹿野さんの発信を見て驚かされることばかりでした。最近の衝撃はまさにアンリアルエンジンでゲーム制作と映像を創作されていることでした。

しかもゲームエンジンを扱われるようになってまだ数年しか経っておられません。アンリアルエンジン5のフルバージョンが使えるようになったのが2022年の4月からですので、その前から鹿野さんは本格的に学ばれておられました。実は、鹿野さんは東北芸工大の1期生だそうです!1期生はどこでも才能と個性が豊かな人財が集まると言われています。その鹿野さんが2020年から東北芸工大の大学院でリスキリングとして再度、学ばれ、修士となられました。その時にゲームエンジンで制作したゲームが「大歳ノ島」というものでした!(2021年の東北芸工大大学院の卒展で展示されたそうです。)東北の神話や伝承なども踏まえた上で、独特の世界観を構築されました。これは、実は、お正月に初詣に行くというゲームだそうです!詳細は

などをご覧ください。鹿野さんはUXのデザインもガチでされていたので身体的な気持ちよさがすべての仕事に対して行き届いています。ビジュアルを見ていて、あるいは体験して気持ちのいい感覚というものがありますが、まさにその気持ちよさを体感できるのが鹿野さんの最大の特徴だと思います。鹿野さんは2011年の東日本大震災を経て「教育活動」を行うことに積極的になって行かれたそうです!私も、実は2011年の4月に東北新社の教育事業に異動になったのでご縁を感じました。そして教育は人を育てるものですので、すぐには結果が出ないのですが何年もあるいは何十年もたつとその結果が表れてくるものです!これからの教え子の活躍が楽しみです。

 鹿野さんは20年ほど前に鹿野さんが今も顧問をされているWOWという会社で3DCGやモーショングラフィックの仕事をされていました。当時から仙台に住んでおられ、WOWが東京進出した際にいろんなお仕事をお願いさせていただきました。当時の制作に時間がかかってすぐ結果が見られないという時代にでも、センスのいい気持のいいものをきちんと制作されている超才能のある方でした。私たちプロデューサーは、どの会社に頼むのか一緒にやるのか?ではなく誰とやるのか?ということを大切にしています。映像に限らず何かを制作した経験のある方は一様にそのことを感じておられるのではないでしょうか?

教室にはCore i9を積んだハイスペックなPCが置かれておりアンリアルエンジンが立ち上げられていました。10時半から鹿野さんの講座が始まりました。時間は80分×2コマ分の約160分。(東北芸工大は1コマ80分だそうです。)この数年ガチで触っておられただけに、アンリアルエンジンの魅力を俯瞰してわかりやすく伝えてくれました。アンリアルエンジンの面白さと有用さ、そして何ができるのか?それらの複数のできる要素を組み合わせて、さらにどんなことができるのか?というようなことを実際に私たちもPCを操作しながら体験するというものでした。自ら地形を創作し草や木を配置して光などを操るというまさにこの世界の創造者になったような気持ちになれます。まさに昔のMACを立ち上げたときの、そして、Pythonを立ち上げたときの「Hello!World」です!この講座を体験するともっとアンリアルエンジンを触って、さらに探究して見たくなるという刺激的な講座でした。

講座の内容を具体的に言うと、私の方で言い方を少しアレンジしていますが、

1,UE5の操作の仕方

2,ゲームエンジンの意味

3,シュミレーション・プロトタイピング

4,アセットを利用して自らの仮想空間を創る

5,ランドスケープを創作する

6,ライティングのこと カメラのこと

7,動きの物理演算シミュレーション

8,ゲームエンジンを使うための実際

 という感じで進めていかれました。鹿野さんが自ら創作されたものと既存のアセットを教材として活用され実際に手を動かしてやってみると、まさに世界を創造しているのだ!というある種の万能感を感じます。その感覚が私にはさらに強い好奇心と創作意欲をかきたてるという体験でした。オンライン講座があれば日本中の人がこれに参加できるのでは?とプロデューサーとして思ったりもしました。

鹿野さんが電通と共同でおやりになったWSのレポートも面白いです!

以上、2024年の夏芸大の初の突撃レポートでした!アンリアルエンジン。ちゃんと学んでいこうと思います。

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