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烏丸御池の映画館アップリンク京都で「小説家の映画」(2022年・韓国)<ホン・サンス監督作品>を見ました!

烏丸御池の映画館アップリンク京都で「小説家の映画」(2022年・韓国)<ホン・サンス監督作品>を見ました!

「小説家の映画」2022年韓国(@アップリンク京都)92分。監督・脚本・製作・編集・音楽:ホン・サンス。京都で久しぶりに以前仕事をご一緒させていただいた方たちと会うことになりました。
18時~俵屋旅館にも近い京都市役所前にある居酒屋「ブランカ」というお店を予約していただきました!

この日はお昼に江坂で学生時代アルバイトしていた「東急ハンズ江坂店」の文具売り場で一緒に働いていた千恵蔵さん(あだ名)と会うことになっていました!江坂には元、東急ハンズで働いていた方々が自分でペットショップをされていたり工房を使われていたりというコミュニティがあれから40年経っても続いていることを知りました!とんかつ屋さんの「さんき」でとんかつ定食(970円)を食べました。

その後、ペットショップに行って珈琲を飲ませていただきました。

京都の待ち合わせ時間まで時間があるのがわかっていたので何か京都で映画を見ようかなと思って前日に探していました!「小説家の映画」という6月30日から公開されたホン・サンスの韓国映画がちょうどいい時間に上映されているのでそれを見るために14時目標で京都の烏丸御池に向かいました!あいにくこの日はJR西日本がダイヤ乱れとなっており新快速が遅れており新大阪でやってきた快速で京都駅に向かいました!この列車も徐行運転が繰り返され、14時の10分ほど前に京都駅に到着しました!地下鉄の駅に行くと烏丸御池方面行の列車が14時6分でした!予告編が7分なので、確実に上映開始に間に合わないこと決定でした!14時15分くらいに映画館に到着。ものすごく素敵な建物「新風館」のB1階に映画館はありました。駅を降りたらそこが映画館。アート系シアターらしいこじんまりとした空間。真ん中にカフェの提供スペースがあり奥には小さなイベントやトークショウを行うスペースがあります!渋谷のユーロスペースよりもオシャレで快適。この日は水曜サービスデーで一律1200円の入場料となっていました。

劇場は3割くらいの入りでしょうか?劇場に入った時は既に映画が始まっていました。

小説家の先生があるブックカフェで知り合いと茶飲み話をしているシーンでした。モノクロームで明るい部分は真っ白に飛ばしているという割り切ったような画面の作り方です!低予算で作られたことがわかります。ホン・サンス監督がほとんどすべての作業をされていることをチラシを見て知りました!実は私は「ホン・サンス監督」の映画を見るのが今回初めてでした。本作はベルリン国際映画祭で銀熊賞という審査員大賞を受賞しています。この監督はベルリン映画祭で2020年には「逃げた女」で監督賞を、2021年には「イントロダクション」で脚本賞を、そして2022年の本作で審査員大賞という3年連続で受賞されている方だということを知りました。

本作は、緻密なシナリオをベースに作られているのでしょう。しかし、そのシナリオが俳優の台詞となる時にまったく作為みたいなものが見えない仕上がりになっています。まるでドキュメンタリーのようにそこで会った人たちが会話している、そんな空気感が映画の全編に漂っています。ここで生きて行くこと。みたいな。私は個人的に「そして人生は続く」系の映画などと呼んでいますが、まさにそんな感じの映画です!

モノクロームの画面が場の空気を静謐にさせてくれ、無音のまま会話が続きます!状況音の効果音と俳優たちの会話だけ。その静かな世界が京都の烏丸御池のような場所の静謐さとシンクロしていくのでした。
学生時代の1980年代に京都の新京極に「菊水映画劇場」(1995年2月で閉館)というのがありましたが、京都で映画を見ることの独特なあの感覚が、まったく雰囲気も違う清潔な映画館での鑑賞で蘇って来ました。

京都にはある種の「心の浄化作用」みたいなものがあるような気がします!

映画は50代~60代くらい?の女性作家(イ・ヘヨン)がしばらく小説を書けなくなっているという状況。書店主と小説家、若い元演劇をやっていた俳優だった女性の3名の会話から始まります!(冒頭の10分ほどを見られなかったので間違っていたらすいません)
会話がとても知的で品がいい。
しかし、時々、小説家の先生から厳しい言葉が飛び出します!その小説家の口から発せられる言葉は実は「ホン・サンス」という映画作家であり芸術家が発する言葉とシンクロさせているのではないか?と多くの方が思うのではないでしょうか?そのセリフには作家論や作品論が込められており、魂を削って生み出すことの大切さが語られています!商業主義的な作品作りではない作家の魂を込めた制作に対する情熱が静かに語られます!

映画はこの小説家の先生を追っかけて行くように描かれます!展望台で旧知の映画監督にばったりと出会う小説家。その後、映画監督の妻と監督と小説家の3名が展望台の下の公園で散歩をしていると、しばらく活動を休止している高名な女優(キム・ミニ)に出会います!初対面の女優と小説家。二人が会話をしていると女優の甥っ子がたまたま通りかかります。女優の甥っ子は今、映画の学校に通っています。その流れから、小説家はこの女優とその夫に出演してもらって短編映画を1‐2日のスケジュールで撮影してみたいと思い立つのです。撮影や編集などは甥っ子に手伝ってもらって。小説家も女優も今、うまく創作が出来ない状況を抱えており、それを何とかしたいという思いがあったのかどうかはわかりません。その後、小説家と女優はお昼ご飯を食べ、その後の流れで、元のブックカフェに戻ってくることになります!というような循環形式になっているシナリオも面白いです。
そこには若い頃、小説家と良く飲んでいたという詩人の男性が居ました!

その後、映画は完成することになるんですが。…。

独特の余韻を残すエンディング。いろんな解釈が出来るように作られています!それらの解釈はみんな違うのかも知れませんが、すべてが正解なのではないでしょうか?なぜエンディングはあのように作られたのか?それだけで何時間もお話が出来そうなそんな映画です!映画館「アップリンク京都」のある新風館のビルの1階には何とブックカフェがありました、素敵な中庭。隈研吾さんが手がけられていることを教えていただきました!

新風館の向かいの「大垣書店」に久しぶりに行きました!素敵な書店です。ここで「新潮文庫」の長尺ものの蒼井優が出ている素敵なCMが店頭で流れているのを見たことを今でも鮮明に覚えています。高田雅博監督の仕事です。映画「ハチミツとクローバー」とのタイアップCMだったと記憶しています!2006年の作品です!17年前のことでした。

その後、雨の中、東へ。市役所前の居酒屋「ブランカ」へ向かいました!

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