ひとり勝ちじゃなくて豊かになる方法

がいいよね、と思う。もともと情報・ノウハウは開示したほうがいい、という価値観であまり出し惜しみはしないタイプだと自負しているけど、ますますこのコロナ禍で強く思っている。

かつて、劇団を会社法人にしたときもだけど、自分が何に苦労して、何をどうやって成したのかということは、聞かれればほいほいしゃべるしなんなら聞かれてもないのに書いたりもしてきた。プライバシーの侵害に当たるようなことは書かないですよ、でも、そうじゃない情報は、ひとりじめするよりオープンにした方がめぐりめぐって自分のためにもなる。まさに、情けは人のなんとやらである。

誰もが手探りな今、いろんな団体が新しく立ち上がったりオンラインでの情報交換会が盛んになったりというのも、きっと情報共有大事よねっていう時代の流れの表れなんじゃないかなぁ。企業秘密とかネタバレとかを気にするよりも、自分も自分たちも演劇界も演劇に触れる外の世界もみんなひっくるめて得るものが多いというか、課題はよりスピーディに解決できて、トラブルは二の轍を踏まずに済んで、収穫はより豊かになるっていういいことばっかしやん、みたいなことなんじゃないかな、と思っている。

だもんで、私は成果物以上にプロセスを開示してくれるひと・団体に惹かれる。自分が完全にお客さんだったら結果・成果だけでいいのかもしれないけど、製作する側はその結果・成果にたどり着くまでの道のりを共有し合ってこそより大きな成長が得られるし、無駄が省かれていって効率も品質も上がるってもんである。

そういうわけで、私は以下の2つのnoteのコンセプトにものすごく共感するのである。どっちも製作側の視点で書かれていて、情報を共有知にしようという意図が明確で秀逸。しかも文章もよみやすい。

どこだって今は試行錯誤の時期で、山ほど試行錯誤して初めて洗練された手法が生まれてくるんだと思っている。ただ、その試行錯誤をやみくもに全員がする必要はないと思ってて、経験したひとに聞いたらわかることをわざわざゼロからやる必要はない。

社会に出てまだ日も浅い頃、「社会人はカンニングオッケーだから」と当時の上司に言われてひっくり返るほど衝撃を受けた。学生時代の「できるだけひとのちからを借りずに自分の能力で解くちから」を良しとされていた世界から突然違うことを言われて、目からウロコがぼろんぼろんだった。むしろ上司先輩のちからはどんどん借りたらよい、わからないことがあったらひとに聞いてよい、テストじゃないんだからいくらでも調べていい。

そうは言われてもまずは自分で考えてから、みたいな癖がすぐには抜けなくて、使わないで済んだかもしれない労力・時間をたくさん使ってきたような気がする。なんでもかんでもひとに聞けばいいって話でもない(ちょっと調べればわかることはまず調べてから質問なされよ、みたいなやつね)んだが、もうある程度道が拓けているんだったらそっちの道を使った方がいいじゃんって話である。

かつてやっていたシアタープロデュース研究会という制作者・プロデューサーの勉強会みたいな、集まって情報交換するのがいいんだろうか。今ならビデオ会議かなぁ。うーん、でもなんかちょっと、ぴん!ときてなくて、↑上に書いたみたいな制作日誌的なものの方がしっくりくるんだよな。なんでだろ。画面越しであっても直接会話したほうが情報量は多いと思うのだけど、もしかしたら、ある程度精査されたテキストの方がいいって気持ちなのかなぁ。

最近は情報系の配信動画は1.5倍速で視ることが多い。演劇や音楽は速度も含めて作品だからいじらないけど。その心理にも通じるものがあるような気がする。

さて。とはいえ明日は顔を合わせてのミーティングが続く。同じ図面やサンプルを見ながら触りながら意見交換するとか、アイデアだし、ブレスト、みたいなやつはやっぱビデオ会議だと限界が。早めに寝て元気に安全に移動しよう。。。

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