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[Cross Value Chain]Cross Value Chain のWhitePaperを読み解いていくシリーズ(1)

はじめに

本日からCVCのWhitePaperを少しずつ解説していきます。もしWhitePaperがバージョンアップされた場合は、新しいWhitePaperに追随していきます。
注意:このWhitePaperの内容がCVCのメインネットにそのまま搭載されるわけではないことをご理解ください。

ブロックチェーンは多種多様に存在していますが、このプロジェクトで注目すべき点は以下の通りです。

  • ストレージの永続性(1000年以上の永続性を目指す)

  • ウォレットを持ったユーザーもコンセンサスに参加する。Voting Proof of Work(vPoW)

これらの点は非常に特徴的です。

解説

Cross Value Chain(CVC)のプロジェクトは、将来的にはあらゆる資産がNFT化されることを想定しており、それに伴いNFTの保存に関する持続性に取り組んでいます。チェーンの情報やNFTなどはストレージと呼ばれるデバイスに通常格納されます。このストレージデバイスはSSDという半導体の記憶素子が中心となった記憶媒体利用されており、最近のスマートフォンなどはこの半導体記憶素子のストレージが利用されております。(SSDに近いものです)

実はこのストレージは寿命があり、その寿命は「TBW(書き込みテラバイト)」という数値で表されます。SSDはモーターのような稼働部分がないので、永続的では?と思いがちなのですが、物理的な問題であったり素材の経年劣化等があり永遠に使えるものではありません。
ブロックチェーンでは通常、書き込みが頻繁に行われるため、通常のPCなどと比べて寿命に影響を与える可能性があります。CVCでは寿命に影響されないように、180日に1回他のサーバにデータを移し替える作業を行うことにより、SSDの寿命に影響されないようにする試みを行います。また、このSSDストレージを安全に保全するためにストレージを保有するサーバを運用する人に対して、XCRが多く配布されます。これは一定の期間でSSDの寿命がくるのでこれらのストレージのデバイスをメンテンナンスしてもらう想定をしております。

みんなが想像するストレージってどんなものでしょう?

以下のようなストレージデバイスを想像した方は、一般向けのストレージデバイスになります。(PCに接続したり、テレビに接続したりしますね)

実は、サーバだともっと仰々しくて以下のようになります(以下のサーバはエントリーモデルです)このサイズで、3年前のサーバで1.6PBの容量があります。(PBは、TBの1000倍です)スマホ300万台分のストレージ容量になります。

WhitePaper日本語訳

原文:https://crosstech.gitbook.io/whitepaper/proposal-by-cross-value-chain
以下は、WhitePaperの内容を日本語訳したものです。

要約

Web3は、トークン経済を利用した分散型のインターネットを指す新しいインターネットの形です。

トークン経済は、流動性のある資産トークンだけでなく、不動産、自然資源、土地、商品、公共インフラ、鉱山、港、アート、私募株などの不動産といった流動しづらい資産の転送や交換も含まれます。さらに、Soulbound Tokens(SBTs)は、医療歴、学歴、職歴などの個人の生活データを包括的に保存し、識別や個人情報の利用が可能です。

資産がNFTに変換されると、その価値は資産の情報のデータ形式で保存されます。そのため、データストレージの限られた寿命に依存せず、データストレージの持続性を確保することが重要です。

IPFSを含む分散型ストレージは、ストレージメディアの寿命の課題に直面しています。この白書では、CROSS Value Chain(CVC)およびDecentralized Autonomous Contents Storage(DACS)を提案することで、この課題を解決するソリューションを提案しています。

CVCは、独自のコンセンサスアルゴリズムであるVoting Proof of Work(vPoW)を実装したブロックチェーンインフラストラクチャを運営しています。プロトコルレベルでは、CVCの元のコンセプトである分散型のバリデータノードであるJノードがランダムに選択され、Jノードはランダムに投票ノードを指定し、セキュアで透明な環境でのコンセンサス投票を可能にします。

CVCに組み込まれたストレージノードアーキテクチャであるDACSは、データ所有者に永続的なデータストレージと安全な所有権を提供します。

DACSノードはCVCネットワークのストレージを提供し、提供したストレージスペースに対してインセンティブを受け取ります。保存されたデータの保護はシステムによって保証され、ストレージ場所はオンチェーンに記録されます。

このホワイトペーパーでは、CVCとDACSの詳細と計画、およびこのプロジェクトが試みることについて説明しています。

イントロダクション

このセクションでは、CVCの概念と技術的な仕様について紹介しています。

ブロックチェーン技術は、ユーザーが日常のトランザクションを行う方法に大きな変革をもたらしました。現在のインターネットは、巨大なテクノロジー企業が中間業者としての役割を果たし、インターネットを搾取しています。さらに、彼らは個人情報とアイデンティティの独占を持っており、利益をもたらす寡占状態を作り出しています。

Web3インターネットでは、人々は自分自身の取引を正しく記録するために他の誰かを信頼する必要はありません。一方、現在の金融システムでは、銀行機関に自分の取引履歴を正しく記録してもらうために信頼する必要があります。

信頼のない環境を実現するためには、ブロックチェーンネットワークは強力なコンセンサスメカニズムを持つ必要があります。よく知られているコンセンサスメカニズムには、Proof of Work(PoW)とProof of Stake(PoS)があります。PoWは、マイニングプロセスにおいて過剰な計算パワーを必要とします。これは環境への悪影響をもたらすと言われています。最も人気のある仮想通貨であるBitcoinはPoWに基づいています。

一方、PoSは、ブロックの検証者が大量の計算パワーを必要とせずにブロックチェーンに追加するブロックを選択できるようにします。PoSアルゴリズムを利用している多くのブロックチェーンが存在します。Bitcoinに次ぐ人気のあるブロックチェーンであるEthereumも、PoWからPoSへとコンセンサスアルゴリズムを変更しました。PoSは、PoWのスケーラビリティの問題を解決し、ノードの数が少ない状態で低コストかつ高速なトランザクションを可能にし、最近の数年間で多くの実用的なアプリケーションとdAppsを提供しました。

ただし、規則によって決定されるノードによる承認プロセスは攻撃に対して脆弱であり、高速処理速度のための分散性の喪失は、セキュリティ上の懸念事項となり得ます。

CVCは、Voting Proof of Work(vPoW)と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムに基づいています。このコンセンサスアルゴリズムの詳細については、本文書全体で詳しく説明します。

まず、ネットワーク上のすべてのノードのうち、1つのノードがJノードまたは決定ノードとなります。このノードは、すべての新しいトランザクションの妥当性をテストするために投票を行います。少なくとも75%の妥当性投票を受けたトランザクションはブロックに含まれます。また、CVCは誰でも参加できるように公開されます。このブロックチェーンは、トランザクションの可能性、ウォレットの作成、検証、ピアツーピアネットワーク接続、エンコード/デコード、ノードの選択など、すべての必要な機能を提供します。

このブロックチェーンの主な目的は、既存のブロックチェーンから学び、改善することです。

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