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四肢をもがれたムイビエン

2022年2月から団体内ユニットのひとつである金剛に加入したムイビエンに思わぬ問題が発生しています。

金剛は反体制を標榜するユニットです。
ただ勘違いしてはいけないのは、反体制ですが悪行を繰り返すヒール(ルード)ではないのです。
この反体制なのにヒールではないという、不思議なスタイルがムイビエンにとって大きな問題になっています。

NOAHに参戦するようになってからのムイビエンは、「はじめちゃん」という呼称からもわかる通り、ベビーフェイス(テクニコ)としてのキャリアを積み上げています。
常にファンに寄り添う言動と、地元での地域貢献活動を通してファンの共感を得ていました。
また、NOAH参戦以前のムイビエンは、ルードとして悪逆のかぎりを尽くすスタイルを得意としていました。

2022年6月7日後楽園大会で興味深いシーンがありました。
第一試合で謎のマスクマン アレハンドロ選手とシングルマッチで対峙した時のことです。
試合の序盤戦にムイビエンは、アレハンドロ選手のマスクに一瞬手をかけます。
以前のムイビエンならば、間違いなくそのままマスクを剥がしにかかるでしょう。
マスクマンのマスクを剥ぐのは重大な反則です。
しかし、金剛のムイビエンはルードではありません。その一瞬のアクション以降はマスクに手をかけるのをやめてしまうのです。

テクニコでないため明るく会場を盛り上げて観客を味方につけることもできないし、ルードでもないため反則を織り交ぜて試合の主導権を握ることもできません。
金剛のムイビエンはこれまでのキャリアを封印された、まさに四肢をもがれた状況で戦っているのです。

そんな中で組まれたHAYATA選手とのタイトルマッチ。
HAYATA選手は2017年に自身の持っていた同タイトルを奪われた相手です。
当時の試合は、タイトルは落としたものの、まさにムイビエンのムイビエンらしいムイビエンな試合でした。

挑戦者としての立場、スタイルの制限と状況が大きく変わった中でのタイトルマッチ。
ムイビエンがどんなムイビエンで戦うのか興味が尽きません。

ムイビエンは開始のゴングからフィニッシュを想定して闘います。
一挙手一投足を見逃さないでください!
「四肢をもがれた赤いムイビエン」のフィニッシュは最初のコンタクトから決まっているのです!

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