【恋愛小説】 恋しい彼の忘れ方⑧
「恋しい彼の忘れ方」 第8話 -純真-
この時、私は愛ちゃんを園に迎えにいく途中であった。車を運転しながら、先日のことを思い返していた。
私は、マリさんに、泣きながら「母に愛されたかった」「自分を愛したかった」と話し、そを聞いてもらって、心の中の暖かさを見出すことができた──。
これはとても大きな感覚で、私の心の中に、ふわふわの綿をギュッと入れて貰えたような、丁度いい湯加減の温泉にゆったりと浸かっているような、そんな充足感があった。
これが、お母さんに抱かれているような、