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1ターンキル!!! CL愛知使用悪パーフェクション [エクストラ]

こんにちは はる( https://twitter.com/haruN_poke )です。

今回はCL愛知で使用した悪パーフェクションの解説記事です。1ターン目から相手の動きをコントロールして一方的に勝つデッキです。
結果は元ポケカ四天王のあめれけいとタケトら4人が5-2でそのうち二人がtop32でした。

エクストラはアイデア勝負なところもあり、CL愛知に臨むにあたってかなりの時間をデッキ作成に割いたので今回の記事ではどのようにデッキが生まれたかに主眼を置いた内容になります。

はじめに
大会結果を見ても既存のデッキがほとんどを占める中で新しいタイプのデッキとして結果を残せたことは収穫でした。
ダークライGXを採用したターボダークライというデッキが国内外のエクストラ環境では猛威を奮っていましたが、それとは明確に差別化できているデッキになっています。
各デッキへの考察も踏まえたエクストラの総括的な内容になっているので、エクストラの振り返りをしたい方やエクストラバトルの日に参加する上で環境を知りたい方もぜひお読みください。


採用カード解説の前に、デッキ作成に至った経緯について環境考察を交えながら話していこうと思います。


・環境考察

例年エクストラレギュレーションは情報封鎖的な側面が強く、ハンデスやLOなどのギミックを隠して持ってきたチームが上位を独占するような状況が続いていました。しかし今回は、Limitlessのプラットフォームを用いたオンライン大会の発展があり、大半のデッキは世の中に出回った状況での大会開催となりました。(海外エクストラ環境は禁止カード含め日本とほぼ同一です。)
一撃マスター、連撃マスターが発売される前のエクストラの環境デッキをtier表にすると大体次のようになっていました。
Tier1 ガブギラ ターボダーク ピカゼク
Tier23神ザシアン ドラパダスト ミュウミュウ
Tier3 カビゴンLOトゲキッス ピカチュウVMAX

Limitlessの大会に数回参加して以下のようなことがわかりました。
1. 殴るデッキの環境であること
2. グッズロックや特性ロックなどの妨害が非常に強力であること
3. サイドをスキップする必要があること
それに加えて、一撃マスター、連撃マスター発売後の国内環境を回してみて分かったことも付け加えます。
4. 広角レンズを採用した連撃ウーラオスが非常に強力であること

それぞれ簡単に解説していきます。
1. 殴るデッキの環境であること
エクストラはハンデスやLOなど特殊なデッキが勝つことが過去数回続いていましたが、海外の強者も参戦するLimitlessの大会でそのようなタイプのデッキがほとんど登場していないことで先にサイドを6枚取る対決になるとある程度確信を持てました。大会直前で流行したカビゴンLOやサーナイトハンデスについては後で触れることにします。

2. グッズロックや特性ロックなどの妨害が非常に強力であること
エクストラ環境はバトルコンプレッサー、バトルサーチャーなどの強力なグッズの存在でデッキをグッズで回す環境になっていました。LOSでおかぴーがピカゼクで2位を獲得(1位もピカゼク)した際、ピカゼクのカードパワーは高くないにも関わらず上位を取ったことで、グッズロックだけで勝てる試合が多数あることに気がつきました。特性ロックも同様で、多くのデッキがボールからデデチェンジに頼っていたことから、ソーナンスやダストダスを採用したデッキが環境後半には上位を多く獲得していました。

3. サイドをスキップする必要があること
これは少し気がつきにくいことかもしれません。具体例を交えていうと、タッグボルトGXやキョダイレンゲキなどで、サイドを一気に複数枚とる必要があるということです。エクストラはグッズが強力で理想の盤面を作りやすいことがあり、(特に後攻をとって)うまく展開した側が大きく有利なレギュレーションです。安定して勝つことが求められるCLでは、1ターン遅れた試合でも勝てるようなデッキを持っていく必要があります。これを強く感じたのはターボダークライを使っていた時でした。このデッキはGX技をデッドエンドGXに切るデッキで、サイドを複数枚取るプランがないため初動で遅れたら負け、というデッキでした。

4 .広角レンズを採用した連撃ウーラオスが非常に強力であること
連撃ウーラオスに広角レンズを付けると相手のデデンネやクロバットを倒して一気にサイドを4枚取れることは非常に強力でした。ベンチバリアのミュウはそもそも採用率が低いことに加えて、デッキ自体が自然とサイレントラボやダストダスなどの特性ロックを組み込めるのでベンチバリアを貫通することができます。連撃ウーラオスにはある程度勝率が取れるデッキを持っていくことは必須事項でした。

・各デッキの考察

本番多いと予想されたデッキについて詳しく考察します。

ガブギラ

ガブギラ

殴るデッキの中では頭ひとつ抜けて強いことがすぐにわかりました。後手1で裏のtag teamを倒せるほどのパワーがあり、このデッキだけはサイドをスキップする必要がないくらい早く力強いデッキでした。加えてミミッキュやウソッキーを採用することで盤面をコントロールするトリッキーな戦い方も可能で、あめれは好んで使っていました。最初は連撃ウーラオスに勝てない印象でしたが、ベンチを絞るプレイングを徹底することでかなり勝てるまでになり最後まで候補デッキの一つでした。サイドプランが3-3でほぼ固定されてしまうことや、海外環境ではあまりに人気で本番では対策されている可能性が高いこともあり使用しませんでした。

ターボダーク

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格闘弱点がネックではあるものの、ピーピーマックスを使って一気に攻められるところが魅力のデッキ。タケトが一度LOSで使用して好成績を収めたこともありはじめは評価が高かったですが、前述の通り一度遅れると取り返せない脆さがありました。もう一つ、後手1で使う技がないというのも問題でした。場のエネルギーが5個程度でゲコゾロの技を使っても相手のポケモンVなどを倒せず、その返しに前のtag teamが倒されてしまいます。スピード勝負のエクストラ環境で1ターン目が不安なのは大きな懸念になりました。

ミュウミュウ(オーロラ)

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海外環境ではオーロラエネルギーやレインボーエネルギーを用いてメガサーナイトGXをメインに戦うデッキタイプが主流でした。このデッキの強みはオンバーンGXのディストーションで、グッズロックで勝利できる試合が多くあります。しかしメガサーナイトGXの技ディスペアレイを打つターンは非常に貧弱で、エクストラのパワーに明らかに足りていません。特殊エネルギーで戦う構築である理由が明確に説明できず、Limitlessに出ているデッキの中で明らかにミュウミュウだけ研究が進んでいないように感じました。

連撃ウーラオス

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前述の通り非常に強力なデッキで、特にソーナンスやサイレントラボを使ってエビナンス的な戦い方も組み込んで特性ロックをしていく形が面白いように感じました。このデッキも最終候補デッキの一つでしたが、特性ロックをした時に自分の動きがかなり制限されてしまうこと、多くのミラーマッチを踏みそうなことが懸念点。また、回している段階でウーラオスがバトル場に来たターンにグッズロックをされるのが弱点であると気がつきました。

カビゴンLO

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(↑シマダ選手のtwitterより)
シマダ選手が海外大会で多く結果を残したことで一般に多く広まったデッキです。回してみると想像以上にロックを決めて勝てる試合が多くあり、とても強力なデッキであることがわかりました。その反面、一度世に知られているとAZなどの対策カードで簡単に倒されてしまう点や、不意のポケモン入れ替えで負けてしまう点が重大な欠点。このデッキも候補デッキの一つではあったものの、当日は時間切れ負けの懸念もあり使用を断念しました。

サーナイトハンデス


このデッキは大会1週前ほどに一気に人気になったデッキでした。ドータクン型やミツル型などいくつか派生系があるのがとても厄介でした。しかし回してみると問題点がいくつかわかり始めます。ジャンケンに負けて後攻を取られると盤面を整えられて厳しいことや、そもそもの成功率が十分に高くないことです。さらにソーナンスやウソッキーを場に出されるとほとんど成功しないことは致命的。これらの要素を合算すると勝率はそこまで高いとはいえず、今回は普通のデッキを使用しようと決断しました。

以上が各デッキに対する印象です。ミュウミュウはそのポテンシャルに比べて考察が進んでない事もあり、早くから研究しようと決めていました。クワガノンが格闘弱点で使いづらい事もあり、1番強力なグッズロックであるオンバーンを自然に採用できるのは評価の高い点でした。

・デッキリスト

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・デッキの基本的な動かし方

もっとも基本的な目指すべき動きは、グッズロックで相手の妨害をしつつ場にエネルギーを溜めて、デッドムーンGX+グリードクラッシュのコンボで相手に何もさせず試合を終わらせるムーブです。デッドムーンGXが決まるとNや特性ロックなどの妨害が来ないので一方的に試合を終わらせることができます。サイドがどれだけ負けていても場にニューラがいれば一気に逆転することが出来るので、少し展開が遅れても最後まで諦めずに戦うことが大切です。
実際にはグッズロックが決まらなかったり、相手の妨害などでコンボが決まらない事もありますが、ファイヤーVの単体性能が非常に高いのでオーラバーンでテンポよくサイドを進めて行く事もあります。より詳しい動きの解説はマッチアップ解説の項に譲ります。

・採用カード解説

採用カードの中で特徴的なカードや配分について解説していきます。

ファイヤーV 2
一般的な悪デッキでは1枚採用が主流ですが、このデッキではファイヤーVがゲームを通して必須カードであるため2枚採用です。場持ちの良さから1ターン目に壁にする事も多いので、倒された時に復帰できる点を考えると2枚は正解でした。

オンバーンGX+次元の谷
後手1でグッズロックから入ることが理想のため、スタジアムは次元の谷にして、オンバーンを採用しました。CL後に、この組み合わせの悪デッキは構想になかったとコメントを頂きましたが、、発想のスタートはターボダークの項で述べたとおり、悪デッキ特有の後手1の動きの弱さの解消やグッズロックのギミックをデッキに組み込むことです。
スタジアムが次元の谷なのでベンチスペースに余裕がなく、様々なカードが不採用になりました。それらは次の項に回します。

バトルコンプレッサー4 トレーナーズポスト2
構築当初は事故率が気になったので、対策カードは全て抜いて回すカードを多く採用しました。どちらもこの枚数にしてからデッキの周りが良くなったので満足しています。出場者の数名はトレーナーズポストを1枚抜いて、対策カードに回したりしていたのでその枠はこのデッキの数少ない自由枠かもしれません。

・レスキュータンカ
回してみないと必要性がわからないカードです。しかし数回回してみるとこのカードの重要性にすぐに気がつくことができます。具体的な使い方としては、デデチェンジや博士でトラッシュしたマニューラGXを戻したり、コンプレッサーと組み合わせてデデンネを拾って展開するなどです。特にマニューラは立たないとデッキコンセプト的に厳しいため、タンカで戻せる保証がないとサイド落ちした時などに動きが制限されてしまいます。

・フィールドブロアー
このカードの重要性はエクストラ初心者の方だとわかりづらいかもしれません。
まずツールスクラッパーとの大きな違いがスタジアムをトラッシュできることです。無人発電所やサイレントラボなどミュウツーの天敵となるカードを破壊できるため、ミュウツーデッキには必須の一枚。道具のトラッシュもこのデッキには重要で、ダストダスのダストオキシンを止めるのにはもちろんですが、3神ザシアン戦でザシアンについた道具をトラッシュすることで勝ち確定の盤面を作ることに使います。

・隠密フード
ミミッキュやダストダスなど特性ロックに対するメタカードとして採用しました。特にガブギラに採用されるミミッキュに関しては、このカードでしか対策できないので必須級のカードでした。副産物として、LOのカビゴンの特性を一度だけ解除して倒せるので不意の勝利も狙えます。

・悪エネルギー 10
デッキを最初に作った時は12枚程度で回していたのでその時から考えるとかなり減ったなと思います。デッキとしてデッドムーンGXを使う6エネ以上必要なことが少ないこと、トラッシュに落ちたエネルギーはファイヤーVの特性やダークパッチで全て拾えて無駄な消費が少ないことを理由にこの枚数まで削減することができました。

・候補、不採用カード解説


・カプ・テテフG X
初めは採用していましたが、ベンチスペースの関係でデデンネやクロバットを優先して使えない試合が多かったので不採用になりました。当日はソーナンスが上位卓で多かった事もあり、採用を考える一枚だと思います。

・ダークライGX(+毒催眠光線)
上のテテフと同じくベンチスペースの関係で無しになりました。GX技を基本的にはデッドムーンGXに切るためダークライGXの役割が少なく、採用する価値がそれほど高く感じられませんでした。このカードは候補カードではなく、不採用カードとなります。

・ダークライEX
このカードもベンチ枠の関係で不採用になりました。もう少し理由を付け加えるのならば、後手1でディストーションを打つにはミュウツーに手張りをするので前のポケモンにエネルギーをつけられない事もあり、軽石の方が有用性が高いと判断しました。
ジュナイパー対策でEX枠が欲しいという理由で採用する価値は大いにありましたが、当日ジュナイパーはそこまで数が多くないと考えました。

・グラジオ
このカードは大会終了後に入れておけばよかったと後悔したカードでした。オンバーンGXやブラッキー&ダークライなどキーカードが1枚サイド落ちしてもカバーできますが、当日は偏りが激しく何枚もサイド落ちして負けた人もいたようです。一方でエクストラバトルのような短期決戦では必要がないと感じてます。

・AZ
カビゴンLOへの対策カードとして採用が検討されました。隠密フードの存在で不意に勝てる可能性があることや、当日は安定性を重視したので採用には至りませんでした。もう少し環境が煮詰まりカビゴンLOが増えると採用の余地があると思います。

・軽石(3枚目)
もっとも欲しいカードの一つで、最終週までは3枚で回していました。安定性の確保のために軽石にもアクセスでき、そのほかの展開用のトレーナーズにもアクセスできるトレーナーズポストに枠を回しました。これによってパソコン通信で取るカードは軽石であることが多いです。

・オーロラエネルギー
オンバーンGXの下技ラウドソニックが使えるとプレーの幅が広がると考え、原案では採用していました。しかし実際は、仮想敵であるトゲキッスVMAXなどにはポケモンレンジャーが入っていてグッズロックを解除するのはリスクでしかないので使う場面がありませんでした。
それよりもビリリターンGXを使う場面の方が多く、エクストラの麻痺の強さを実感できました。

・マッチアップ解説


エクストラバトルでも数が多そうなデッキを抜粋して解説します。

対連撃ウーラオス
基本的な勝ち方
ディストーションで時間を作った後、デッドムーンGXを絡めて一気にサイドを5-6枚取る。
意識すること
連撃ウーラオスVMAXはバトル場でグッズロックを受けると下がれず立ち往生するのでその隙を突くことを目指します。サイレントラボなどの妨害が入っていることが多いので、デッドムーンGXを使って相手に妨害させる隙を与えず6枚取り切ります。相手の場にGXがいない場合や、VMAXが2体いない場合は5枚程度しかサイドを一気に取れないので、先にサイドを1枚取りましょう。先にサイドを5枚取ってしまうと、N+サイレントラボで完全に捲られてしまうのでGX技は打てば勝てるタイミングまで温存することが大切です。

対ガブギラ
基本的な勝ち方
隠密フードをマニューラにつけて、手札からミュウツーを出してコンボを決めて勝つ。
意識すること
相手側がミミッキュかウソッキーどちらかのみの採用ならかなりの勝率が見込めますが、熟練のプレーヤーがどちらも採用していた場合には最適にプレイしないと厳しい戦いになります。まず大切なことは、ミュウツーを安易に場に出さないことです。隠密フードがデッキに1枚でマニューラに貼る都合上、ミュウツーを使う場面では手札から出して使う必要があります。例外的にミュウツーを場に出していいのは後手1でディストーションが決まる時で、決まれば簡単に勝てる試合が多いです。
特性ロックでサイドをかなり先行されますが、ニューラと隠密フードが揃えば一気に逆転できるチャンスは常にあるので最後まで勝てる可能性のある場(=6エネルギー溜まる場)を維持することがとても大切です。

対マッドパーティー
基本的な勝ち方
ディストーションで相手を止めて勝つ
意識すること
とにかくグッズロックが刺さる試合なので、全力でディストーションを狙いましょう。後手1で決まればそのまま押し切れる試合が多いです。先行を取った時でも、最後の3枚はグリードクラッシュで取れるのでディストーションで相手を止めながら3枚取ることを目指します。細かいプレーですが、相手のパラレルシティでこちらのベンチを狭められたときに、敢えてそのパラレルシティを割らないことで相手のデデンネGXを場に留まらせることができます。

対3神ザシアン
基本的な勝ち方
デットムーンGX+グリードクラッシュで合計6枚取る。
意識すること
このマッチアップは最もわかりやすいマッチの一つで、基本的な動きをすれば勝つことができます。フィールドブロアーでザシアンのはちまきを剥がせばアルティメットレイを撃たれた後でさえ捲れるのでデッキパワーの高さを感じることができます。
注意する必要があるのは相手にマギアナEXが入っていた時です。この場合3神にデッドムーンGXが決まらないので、サイドプランは2-4,つまりデッドムーンGXで鋼エネルギーのついていないベンチのポケモンVなどを取った後、グリードクラッシュで3神を倒すことを目指します。その時に3神にダメージがある程度乗っていないと倒せないので、3神にはディストーションよりも悪の波動などで積極的にダメージを乗せていきます。3神にはディストーションの効きが悪いので積極的にダメージを乗せましょう。


・おわりに


ディストーションを絡めたトリッキーな動きや、サイドを一気に6枚取るのはとても爽快で楽しいデッキになっているのでぜひ使ってみてください!
ここまでお読みいただきありがとうございました。


ご質問、ご要望などありましたらTwitter( https://twitter.com/haruN_poke )の方で受け付けております。


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