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誰かにとっての日常は、誰かにとっては眩しくて

メルカリで、カップとコースターを買った。

グラスに銅製のホルダーがついており、昔ながらの喫茶店に置いてありそうな雰囲気が出ている。

アンティーク調な雑貨が好きな私はすぐに気に入った。

調べてみるとそれは、十数年前に流行ったデザインで、贈り物やノベルティになっていたもののようだ。

流行は繰り返す、とよく言う。

かつては写真を撮るといえば当たり前だったフィルムカメラも、デジタル、スマホと形を変えて、今ではまたフィルムが流行っている。


本州最北の青森の伝統工芸、こぎんざしは、寒さから身を守るために布を重ねて縫い合わせていたことがその始まりだという。

その土地の、その時代の人にとっては当たり前のものが、遠く離れた地や、時代を超えて価値が高まることもある。

メルカリを見てみると、かつて流行していたが、それも過ぎてタンスの肥やしになっているものが多く出品されている。

はたまた、古いお家から発見された古道具が他の人の手に渡り、素敵なインテリアになっていることもある。

それは、その人たちにとっては流行りが過ぎ去ったり、家になんとなく置いてあった"古いもの"でしかない。


けれどそれは、他の人にとっては新鮮で、ノスタルジーで、価値のあるものになりうる。

今の自分の当たり前の暮らしも、十数年後には他の誰かが羨む暮らしになっているのかもしれない。


そう思うと、自分が普段使っている物も、
捨てるしかないと思っていた物もまた、
価値があると思えるのだ。

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