見出し画像

ピアノレッスン

ピアノがやって来て、ほぼひと月。
いまや我が家にピアノの音がしない日はありません。

オットが在宅の日、会社の日、私が仕事をしている日、していない日、それぞれの組み合わせの中でそれぞれが弾ける時に弾いている感じです。

しかし、何より驚いたのは、「何の曲から始めるの?」という私の問いに対するオットの答えです。

「バッハのゴールドベルグ変奏曲」

ん? んん?? んんん???

いやいやいやいや。

小学生まで習っていたから音符は読めるし、耳は私よりはるかにいい。しかしいきなり、そこ行く? なぜ、なぜだ??

「なんで? 前から弾きたかったんだっけ?」と聞けば、「いや、音符、少なそうだから」って。

いやいやいやいや、いやいやいやいや。。

しかし、彼は何食わぬ顔で楽譜を譜面台に置いて、ポロポロと弾き始めた。

案の定、進まない。
さまざまなトリルの記号の意味がわからない。
ヘ音記号読めない問題、も浮上!

それでもネットで調べ、ヘ音記号について記憶を掘り起こし、毎日毎日、1小節1小節、進んでいく。

トリルの入れ方や指遣いが「あり得ない」ほど難しいよー、とかなんとか言いながらも、毎日聴いている私には、少しずつ少しずつではあるけれど、確実に進歩している。そして今や16小節までは「それなりに」曲の体をなして、それなりにスムーズに進行している。

しかも、彼は耳がいいので、ある時から楽譜ではなく、鍵盤を見て弾いているではありませんか!! もちろんつっかえたり、わからなくなったら楽譜を見ているけれど。彼曰く「楽譜を見ながらの方が弾けない」と。「楽譜を見ながら弾いているあなたの方が私から見たらすごいと思う」と。
そうなん、、??

そんな姿を見ていたら、私も自分のレベルよりも上の曲に挑戦したくなってきた。中学生まではやっていたとはいえ、指も(特に左)動かないし、私にもヘ音記号読めない問題もあるし、まずは「ハノン」で指練、並行して「ブルグミュラー」の中の曲を何曲か練習して、、それから(弾いてみたいと思っていた)バッハのインベンションに挑戦だ!と思っていたけれど、、

うかうかしていられないぞ、と変な対抗意識が出てきてしまいました。

ということで、今は「ハノン」(やはり基礎練習は大事です)、バッハ・インベンションの(なぜか)十三番、「エリーゼのために」を練習する日々です。

エリーゼのために、は中学生の頃もポロポロと最初の有名な旋律は弾いていたけれど、中盤に難しくなるところからは結局弾けずじまいで終わっていたので、きちんと最後まで弾きたいと思っていた。

バッハは好きな作曲家で、とにかく私はバロック音楽が好き。
ヴァイオリンをやっていた時もヘンデルやヴィヴァルディの曲が大好きだった。

とはいえ中学生の頃は、バッハのインベンションに突入したくらいからピアノが楽しくなくなってきて、「バッハのインベンションの一体どこが面白い?」と思っていた。最後の方はいやいやレッスンにも通っていて、ようやく高校受験を理由に辞められたことを思い出します。

本当に不思議ですね。50年近い年月を生きてきた中でその音楽と自分とが近づいてきた、とでも言いましょうか。生きてきた過程で、私の方がその音楽に近づいていった、と思っています。

エリーゼもインベンションも、一応最後まで弾けるようになってからは、YouTubeでそれぞれの曲についてどう弾けばいいのか、どういう練習方法があるのか、などを見たりして練習しているところです。当たり前だけど、知れば知るほどどんどん難しくなる。それでも「もっと上手く弾けるようになりない」気持ちがムクムクと湧いてくる。
あぁ、中学生だった私が今の姿を見たらさぞ、驚くだろうなぁ。

とにかく今はピアノに触るのが楽しくてしょうがありません。
仕事の合間に15分、のつもりが30分弾いてしまったりすることも。

夕飯の後には二人でいろんなピアニストが弾くゴールドベルグをYouTubeで聴いたりしています。そんな時間を過ごすようになるとはね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?