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『ラーゲリより愛を込めて』

この本は、辺見じゅん氏の『収容所から来た遺書』を原作とした映画「ラーゲリより愛を込めて」のノベライズ作品だそうです。

1945年、満州にいた日本兵はソ連軍に拘束され捕虜となり、シベリアの収容所(ロシア語でいうラーゲリ)に連れていかれます。その一人、主人公の山本は、ダモイ(帰国)を信じ、過酷な収容所生活でも希望と勇気を持ち続け、体現し、そのせいでひどい拷問にあったり、最初の数年は仲間からも冷たい視線を送られたりしていました。しかし次第に、その姿を目にする仲間たちの信頼を得て、友情さえも育まれていきます。

ところが、収容から10年近く経った1954年の夏、ダモイが実現する1956年の冬を待たず、山本は病で亡くなってしまいます。

私の心が震えるほど驚いたのは、その少し前に仲間に促されてしたためた、日本で暮らす母、妻、四人の子供に宛てた遺書を、仲間たちが家族に届ける方法です。

これまでも、収容所での過酷な生活については本や映画などで取り上げられてきましたし、それはきちんと知っておくべきことで、今でもどこかで行われているかもしれないと思うと、本当に言葉を失うほどうんざりするし、怒りもするし、落胆もします。けれど、私がこの本で驚き、心を揺さぶられたのは、何度も言いますが、仲間たちが家族に遺書を届ける、その方法です。

ネタバレになるので詳しく書きませんが、ラーゲリで山本が仲間たちに言った「頭の中で考えたことは、誰にも奪えない」という言葉を、仲間たちは体現したのです。

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そして少し前、荻窪の本屋Titleに行ってきました。変わらず、心身ともに落ち着ける場所です。これから少しずつ、Titleで購入した本を読んでいきます!

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購入を決めていたのは『それで君の声はどこにあるんだ?』だけで、あとは棚を見ながら手に取ったものです。安達茉莉子さんは知らない作家でしたが、ちょうどTitleの2階で作品の展示をしていて手に取ってみました。

『ウンコの教室』は帯に「「食育」が学校現場に浸透したこともあって、「食べること」について学んだり、考えたり、話したりする機会は増えましたが、「出すこと」について、そのような機会はほとんどありません。むしろ、まったくない、といったほうが正しいでしょう。でもそれは、「生きること」の意味を、半分見過ごしていることと同じなのかもしれません」とあり、直感で買いました! 「SDGsのカギはウンコにある?!」とも!

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