ミステリくそよみ週間

紅蓮館の殺人
すげえ、序盤の情報密度がえぐかった。高校生が探偵をしているとかのとんちき(現実離れした) 設定とか世界観が淡々と語られるので、つっかえをけっこう覚えた。でも、そこら辺の違和感は後半に回収されていたりするのでおもろかった。具体的には、元探偵のひとが自分は昔探偵だったのよみたいなんを話し出すのが犯人への情報の開示という面で意味があったんだってなったときにオモロってなった。
この世界観に入れてきたとき(盗賊とか、詐欺師が出てきたらへん)からはもうとまんなかった。後半の館からの脱出の希望、高揚、感動ってな気持ちのとこから、「爪」の殺害、天井を下げる行動に対するアリバイの矛盾、そしてそれを説明されるために明かされる元探偵の闇、が語られるごとに感情がだんだんうわーってなっていくのがすごい。
今考えたら、犯人とかなぞがあんま解決してないうちに、希望んい満ちていく感じを出せてたのが逆に文章の力って感じがしてすげえって思った。
あと、主人公の高校生二人の会話のテンションがよくわからん。

オーデュポンの祈り
伊坂幸太郎の小説を読んでみようと思って、名前だけで選んだら一番初期の本だった。この話は何なんだろうって感じが最後あった。とりあえず面白かったところをかく

・カカシが思考することの説明。カカシは頭に当たる部分に小さな虫がたくさん動いていて、それが人間の脳でいう電気信号と同じ要領で頭を働かせているのだ。というアイデア

・ウサギっていう、太りすぎて動けなくなっちゃった人がいて、ウサギさんの過去がすごい良い。「みんなからかわいがってもらって、お菓子とかをたくさんもらってたんだよ。それで甘いものばかり食べすぎて太っちゃった。」(思い出して書いてる)っていう原因を主人公に話す。ウサギさんが1ページないくらいで話す。原因がまずかわいい。みんなが経験してるようなあったかい気持ちになる原因なの。そして、ウサギさんの語り口調がめちゃくちゃかわいそうなやつって感じでなく、自立した上品な人間の感じなのがその原因と合わさって、すごい他人事って感じじゃなくなる。他人事って感じじゃないというか愛嬌?人間味?凄いいいキャラなの。
そして、その人が「その日動けなくなるんだったら、お風呂はいったり、良い景色を見るんだった。」みたいなことを言う。その言葉で一気になんともまあさみしい気持ちになる。
しかもこの人が本格的に話し始めてから数ページなんす。それで、こんな感情を揺さぶられるのってえぐいことなんす。

あとはあんまり覚えてない。小説内でも語られるけど、島の中はほんとに現実感がないのよね、空想的な感じと形容すると、ロマンが多すぎるくらいに「現実」ではないというだけ。それがよかった。
この島には何かが足りないっていう作中で最後の方まである謎の答えが、音楽だったっていうのも、この小説らしさだと思う。この謎のこたえは全然伏線とかがあるわけでも根幹にかかわってくるわけでもない。雰囲気がいい。

魔王
あまり覚えてない。オーデュポンよりあとなんだけど、あんま覚えてない。というかあまり面白くはなかった。政治が話に出てきて、政治を具体的なものとして使ってて、テーマはもっと抽象てきなところにあるのは何となくわかる。(わかるとかじゃなく僕はそう思ったの方がいいか)
わかるけど、政治のキャラ(政治家ですごいカリスマがある)がなんか作中ではすげえやつみたいに言われてるけど、読んでる俺にはなんも響かないわけよ。作中の人は、俺よりもその人に関する情報を日々耳にしているわけだから、影響されやすさも違うのはもうしょうがないんだけどね。
そのせいか、そのキャラひいてはそいつにかかわってくるキャラが全部記号にしか思えなくて、ずっと寓話を読んでいる気分になった。
政治に興味なさ過ぎたのも関係してくるかも。

白銀ジャック
これはあんま面白くなかった。爆破予告がスキー場でされて、てんやわんやする話なんだけど、おちが爆弾をセットしたのがホテル側(スキー場側)で、爆破予告をしたのが、予告を利用して、封鎖されていたゲレンデを開放しようとしていた市長の息子っていうものだった。その仕掛けた側の思惑と予告した側の思惑が違うから不可解な謎が生まれてたんだけど。その判明の仕方がおもんなさすぎる。
どう判明したかというと、身代金を渡した相手を普通にスキーで追っかけて、捕まえて吐かせるっていう判明の仕方なんすよ。多分僕は、もし主人公とかが、論理を組み立てて、嘘を暴いたり、真相を究明したりしてたら面白いと感じたんだと思う。でも過程が違うだけでこんなにもつまらなくなるのかと思った。

そこで逆に、真相も本を書いてる人が考えてて、探偵もその人が考えたように動くんだけど、推理小説の解決編が面白くなるっていうのは、じつはすごいことなんだと気付いた。

もう少しで引っ越すけど、転出届を出していないというのと、持っていく本を宅急便に預けるっていう仕事をしていないという現実から目をそらしてます。絶賛目逸らし中。

あと、化粧水と乳液ってえぐいすね。夕方まで肌が最悪なことになっていない。

あと彼女ほしすぎやばい。あと、制御のなんかアームを動かす実験キットみたいなんほしい。

暗黒館の殺人読みます!がんばる

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