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保健指導 肩の力が抜けた話

 こんにちは。
 先日、他社の先輩保健師さん(このnoteでは以下”師匠”と呼びます)に時間を頂き、お悩み相談をさせて頂いたことで改めて保健師の姿勢やどんな態度で対象者に接していくかを考えました。

①手取り足取りの支援ができるのが良い保健師か?

 当初、私自身が抱いていた保健師像はまさにズブズブに支援をする保健師でした。以前、行政保健師として働いて時にも、入り込んだ支援が散見されていてそういうものだと思っていました。その保健師像は、産業保健の世界に入っても変わりませんでした。しかし、会社からは予防活動(特に一次予防)を期待されていたため、自分の理想(保健師像)と会社が求めるものとのギャップを感じていました。
 それに対して師匠は私たち保健師が離れた後をイメージしながら支援をしていみたら、と伝えてくれました。そうすれば自ずと介入スタイルも変わってくると。
 それは私が抱いていた、あれもこれもと支援する保健師像とは真逆のスタイルでした。言われてみれば、私たちが社員全員を24時間守ってあげることはできません。よく考えれば至極当然のことですが支援の渦中ではそんなことすら気付かなくなっていたのです。
 例えば健康診断を受けない従業員に対して、私は目くじらを立てて「健康診断を受けてください」と詰めに詰めまくっていました。しかし、依然として受けない人がいて、このまま保健師主体の受診勧奨をするには限界を感じていました。そんな時、「私たちがいなくても」ということを念頭におくと私の中で介入の方向性が変わったのが実感できました。

②保健”指導”とは?

 私の中で保健指導がいつもしっくりときませんでした。いざ対象者と向き合ったときにどんなことを”指導”したら良くて、どんな言い方で”指導”をしたら目上の人も癇に障らないかばかり考えていました。
 しかし、師匠は「私は指導したことなんて1回もないよ。指導なんかしなくても皆痩せてくるよ」と笑いながら言うのです。
 彼女は認知行動療法をベースに介入していて、”知識を与える”指導ではなく、会話の中で”気づきに導き、決断を支援する”ということをしていました。師匠は「あなたはまだ若いんだから指導なんてできなくて当たり前。まずは、その人がどんな人なのか、何を大事にしているのかってことだけを考えたらいいよ。」と言ってくれて肩の力がふと抜けたのを感じました。
 具体的な声掛けも教えてくれたことで、従来の保健指導よりもかなりしっくりきました。思えば、師匠は悩み相談でも終始認知行動療法を使って話していたので、私の納得感も3割増しでした。

③目の前のことに向き合っていく

 私は産業保健の経験も無い中でスタートアップ企業に入社し、一人職場でずっと迷いながらやってきました。しかし、思うように進まなかったり、これで良いのかなと悩むことが多すぎてもっと教育体制が整っている企業への転職も考えていました。
 しかし、師匠と話してまだまだこの会社で何にもしていない。もっともっとこの会社で頑張りたいと思いました。
 今の会社に入社して1年半、自分の裁量以上の仕事を任されて、微力ながら会社を変えてきたつもりではいましたが、社員との対立構造の深まる今のやり方には限界があり、私もまだまだ未熟だなと感じました。明日からまた産業保健、がんばります!


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