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ななせさんと私の話⑤

2021年6月12日(土)、久しぶりにななせさんのライブに行ってきました。
今回の会場は、お馴染みの長岡・新亀寿司(ななせさんの長岡でのライブは5回目ですが、内4回が新亀寿司です)ですが、長岡でのライブは実に2019年9月29日以来となりました。

前回は47都道府県天体観測ツアーの最終盤で、ツアー長野編とファイナル東京編のチケットを物販で売っていた頃。
その後、初のワンマンライブから3ヶ月連続のレコ発ワンマンを経て、1st アルバム「maniac love」、そして2nd アルバム「スナックぜんもんどう」を全国リリースし、一回りも二回りも大きく成長して、再び長岡へやって来てくれました。

ななせさんにとっても、5月のリリースツアーが中止となり(You Tube Liveを代替開催したとは言え)、「スナックぜんもんどう」リリース後、初めての有観客ライブです。
と言うことは、今回のライブはTOUR 2021 スナックぜんもんどう長岡公演?
いえ、それだけではありません。
2020年3月、「maniac love」レコ発ワンマンの翌日に予定されていた長岡でのライブが中止になっていたことを思えば、今回のライブはTOUR 2020 maniac loveの延長戦でもある、と言えるでしょう。

地元でライブを観に行こう 3回目

私にとっても昨年11月以来のななせさんのライブ。6月に長岡に歌いに行くかもしれない、と知らされてから、一日千秋の思いでこの日を待っていました。
ライブの日程が告知された日、即座に予約を入れたものの、本当に開催ができるのか、期待と不安が入り混じる日々を過ごしました。

当日の天気はやや雲が多く、蒸し暑いものの、雨の心配のない天気。
初めて傘を持たずに家を出ました。
今回開場は16時。
直前までバタバタとしてしまい、足早に新亀寿司へ。
駅前の通りを通り過ぎると、遠方に青い看板が見えてきます。
店頭には2人、男性が立っています。
半ば確信を持ち、手を振りながら近づくと、案の定、同じようにななせさんを目当てにやってきた面々でした。

『遠目にも足取りがウキウキ弾んでいたのがわかったよ』

揶揄われながら、挨拶を交わします。インターネット上では常にやり取りしていても、実際に顔を合わせるのはやはり昨年11月以来です。

開場時間が少し押しましたが、案内され、距離を取りながら店内へ。
出演者の方々が店内で待機していますが、ななせさんはまだ到着していない様子。
受付でアルコール消毒と検温をし、連絡先を記入。
主催のYさんとも久しぶりの再会です。

『お久しぶりです。お元気でしたか?』

「おかげさまで」

何気ない会話でも、時節柄、旧知の方と無事に再会できることは嬉しいことです。

すっかり見慣れた座敷には、見慣れない大きな飛沫感染防止シート。
出演者の姿は見え難いだろうなと思いつつも、せっかくの生音・生声でのライブ。できるだけ近いところでななせさんのギターと歌声を聴きたい、とシートの目の前に腰を下ろしました。

席は10席限定でソールドアウト。
進行はオンタイム。10分間の転換ごとに窓を全開にして換気を行います。
最初の転換時、受付から待機しているななせさんの姿が目に入り、マスクの下で思わず笑みが零れました。声を出すのは憚られるので、笑顔で目礼を交わしました。

5人中の三番手、待ち望んだななせさんの出番がやってきました。

この日の衣装はワンピース姿で、立ったままライブを始める様子。
新亀寿司でのななせさんは、座敷に胡座を組んで座ってギターを抱える、ストリートライブと同じ姿勢で歌う姿が定番でしたが、あの姿はもう見られないのかもしれません。ちょっとした変化にほんの少しの寂しさを覚えたのも一瞬のこと。

一曲目のイントロに驚きの声が漏れそうになりました。

「us」

私が初めて出会って心を奪われた、一番大好きな、ななせさんの曲。

まさか、と思いました。

言うなればこのライブはリリースツアー。
2枚のアルバムを引っ提げて、久しぶりにやって来た長岡。
最新作の「スナックぜんもんどう」か、せめて「maniac love」に収録された曲を演奏するのが常道ではないのですか。
それなのに、今となってはどこにも収録されていない曲を。

私のためだ、と思えるほど、自惚れることはできないけれども。
ただただ嬉しくて。
歌詞の一言すら聴き逃すまい、心に刻みつけようと耳を傾けていました。

長くて短い幸福な時間が過ぎ、2曲目、MCを挟んで3曲目、とライブは進行していきます。「maniac love」と「スナックぜんもんどう」の収録曲を交互に5曲、最初の「us」を含めて全6曲のライブは、手拍子に合わせて歌い上げる「朝を待つひとたち」で締め括られました。

歌う姿はよく見えなくても、声は十分に届いて、すぐそこで歌うななせさんの存在を伝えてくれました。
あっという間に過ぎると感じることの多かったライブの時間ですが、今回は幸福な時間が長く長く続いたように感じられました。

終演後、直接お会いして、言葉を交わして、全てが明日への糧となりました。

次にライブに行ける機会が何時になるかは分かりませんが、また次の日まで、元気に過ごしていける。そのためのエネルギーを得ることのできた、かけがえのない1日でした。

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