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ピティナ特級公式レポート4〜現地で演奏を聴いてみて

二次予選1日目終了し、先ほど帰宅いたしました。現地での記事を1本出しましたが、そこに書ききれなかったことや、現地で聴いてみた感想をゆっくり書いていきたいと思います。

演奏を聴いてみて


今日は12人の方が演奏されました(11番の工藤桃子さんは棄権)。
ひとつ前の記事にもあげた通り、会場での音は、結構響いて聞こえてきて、けれども芯のある音ははっきりとわかるように聞こえます。12人とも、それぞれ個性のある音をお持ちでしたが、「どんな演奏だったのか」というところでは、ざっくり3パターンに分かれている気がします。

1パターン目は、自分の個性として確立した音を持っていて、すべての曲でその音の良さを活かしておられる方
このパターンに当てはまるのは、インタビューで、「好きな曲でプログラムを組んだ」と言っておられた方や、大きな曲を軸にしてプログラムを組んだ方が多かった印象。全体的に一貫性があり、後藤美優さんはパワフルで熱量のある音をお持ちでしたし、山田ありあさんは影を見せつつもチラチラと光を魅せてくて、異世界に連れてってくれるようでした。

後藤美優さん


2パターン目は、カメレオンのように曲によって音の雰囲気や色が変わる方

このパターンが当てはまるのは、ひとつのプログラムでタイプの違う曲を持ってきている方が多かった印象。2番目に演奏された加古彩子さんがまさにそうで、1曲目のヘンデルでは花が広がる様が眼に見えるような音を聞かせてくれたと思ったら、最後のデュティユーでは、現代音楽によく合った、細かなところまで煌びやか、でも時にパキッとした低音が聞こえてきたり。情報量が超多い、という感じです。

加古彩子さん


3パターン目は、1、2パターンのどちらも当てはまる方

他の曲も聴いてみたいと思わせてくれる、ある意味、余裕がある演奏をされた方がいました。4番目に演奏された井上珠里亜さんがそうで、「この音は彼女にしか出せないんだろうな。でも今聴いているこの音はほんの一部に過ぎないんだろうな」と思いながら聴いていました。

井上珠里亜さん

と、そんな感じで皆さんそれぞれの演奏を現地で楽しみました。
たくさんの音が洪水のようにふりかかってきて、疲れはありつつも、幸せを実感しております。

ただ、そんな幸せな会場にいても、拍手が存分に出来ないことには「あーん!」と泣きたくなりました。ガラガラの客席からは、当然まばらな拍手しか聞こえません。「あなたはもっと拍手を浴びるべき!」という演奏者には申し訳なさを感じつつも、一人だけ大きな拍手をする勇気も出ず……。
そんな中で、二次予選では唯一の外国人審査員のエマニュエル・リモルディ先生は、手をいっぱいに広げ、拍手する用意をして、奏者がお辞儀をする瞬間を待っておられました。誰か一人が目立つ拍手をしていたわけではないのですが、私ももっと音を出して拍手しても良かったかもしれません。

他にも様々な反省点がありながらも、無事に現地1日目を終えることが出来ました。朝からとても緊張していたのですが、スタッフの皆さん、とてもやさしく接してくださいました。ありがとうございました!

今日のお弁当。なんだか上品。

明日も引き続き現地まで演奏を聴きに行きます!


(画像提供:ピティナ ※本レポートでの画像利用許可済)

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