漫画『青野くんに触りたいから死にたい』64話感想 17 ハルハナ 2024年2月26日 14:03 本当にすごい話だった。人の心の弱い部分を、こんなにも丁寧に言語化してくれた作品があっただろうか。この話はどれだけ沢山の人を救うだろうか。受肉編は本当に辛くて苦しい場面の連続だったけど、全部全部この話の為だったんだ。この作品はきっと、生涯私の中に残って、私を救い続けてくれるだろう。わたし、この間長い夢を見たのその夢の中でわたしは、とても弱い女の人だったその女の人になったわたしは、自分の心が傷ついた時、必ず誰かを傷つけた傷つくと、心が矢を打たれた獣みたいに走り出して、自分の形も分からないまま誰かを打つの打つと心がずっと楽になるそして私に打たれて倒れた相手を見下ろすと、その人は、惨めだったり、孤独だったり、罪悪感に押しつぶされたりしていたそれで私は気がついたわたしが惨めな時は、相手が惨めになるような打ち方をしてわたしが孤独な時は、相手が孤独になるような打ち方をしてわたしが罪悪感に押し潰されている時は、相手を責めるの殴ると、殴った相手が自分と同じ気持ちになるの同じ気持ちになると孤独が癒やされて心が楽になる人は同じ気持ちになって欲しくて、分かって欲しくて人を殴るのひとりぼっちは寂しいからわたし、翠ちゃんといるととても惨めになる自分が恥ずかしくなるそれは、ずっとわたしという人間が本当に惨めで恥ずかしい人間だからなんだと思ってたでも違う惨めなのは、自分を恥ずかしいと思っているのは、本当は翠ちゃんだったんだ惨めさも恥ずかしさも、あなたに殴られてわたしに移ってきた感情で、本当はわたしのものじゃない、あなたのものなんだ翠ちゃんを前にすると、いつも怖くて何を喋ったら良いのか分からなくなるでも本当は怖がってるのは翠ちゃんの方だから翠ちゃんはいつも高圧的に話して威嚇するのあなたはいつも人と自分に優劣をつけて比べているから、いつも自分の価値が揺れているそれで自信がないの、不安なのあなたに殴られるたび、わたしはあなたと一つになってしまっていたみたいでもわたし、あなたとわたしが別々の人間だったことに気がついたわたしが感じてきた惨めさは、怖さは、無力感は本当はあなたのものだった!わたしのものじゃない今あなたに返します!椎名うみ『青野くんに触りたいから死にたい』優里の台詞※句点、改行は筆者によるもの ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #漫画感想 #青野くんに触りたいから死にたい 17