見出し画像

ギリシャ神話の話3 ギガントマキア3

前書き

↑前回

ヘラクレス大活躍し過ぎ+物語風に書くと文字数めっちゃ増える。
ギガントマキア全部書くとそれだけで1万字超えてまう。
これを10回繰り返したら書籍と同じ長さに。
とりあえずあと1回か2回でギガントマキア終わりたいんでもう少しお付き合いオナシャス。

双子神の攻防

アポロンとアルテミスは双子の姉妹で、どちらも弓の達人であった。
普段から弓の技術を競い合い、自分の方が上手いと張り合ってはいるが仲の良い兄妹であった。
ギガス軍の猛攻も双子の神は嘲笑うように身をかわし、弓で順に撃ち落としていった。
しかし止めを刺すことはできないので、いよいよかわし続けるのにも限界がきてしまった。
「アポロン!」
アルテミスはそう叫ぶとアポロンの背後に迫るグラティオンにアルテミスは得意の弓でマシンガンのごとく大量の矢を放った。
矢が刺さりグラついたグラティオンだが死ぬことはなくそのまま棍棒をアポロンに振り下ろす。
もうダメだと目を瞑るアルテミスの耳に轟音が響く。
それは棍棒ごと吹き飛ばす剛矢の音だった。
ヘラクレスが放った矢はグラティオンの棍棒を吹き飛ばし、その勢いのまま心臓を貫いていた。
「間一髪だったぜ、ヘラクレス」
ヘラクレスは口元だけニヤリと笑むと、アルテミスの方に向け弓を構える。
「アルテミス!危ない!」
ヘラクレスは矢を放つ、アポロンもアルテミスに向け矢を放つ、その二つの矢はアルテミスに今にも襲い掛かろうとしたエピアルテスの両の目にそれぞれに突き刺さっていた。
「アポロン、ヘラクレス、助かったわ。」
「これが俺の仕事だ」
ヘラクレスはそう言い放つと別の戦場に向かっていった。

一方その頃

ハデスは戦の準備をしていた。

オリュンポスの神はギガスを殺すことはできない

この呪いがある限りゼウス兄貴たちは勝つことができない。
オリュンポスの神は・・・つまり自分ならば力になれると思っていた。
「親父、何やってんだ?」
ハデスの息子のザグレウスは父に問いかけた。
「見て分からぬか?兄からの救援指示が来たのだ。そのための準備をしている」
ハデスは自分のiPhoneを息子に興奮気味に見せつける。
ハデスは戦の役に立たない。いつもそう言われていた。
地底の管理を任されたといえば聞こえはいいが、単純に絢爛豪華なオリュンポスから追い出されただけであった。
今まではみられてたそんな自分でも、いざというとき頼られれば悪い気はしない。
ルンルン気分で身支度を終え、ハデスは出陣の準備を整えた。

バサッバサッと羽音が聞こえた。音の方を見るとヘルメスがやってきていた。
「おおヘルメス!久しいな!」
「お久しぶりですハデスの叔父貴。ペルセウスの時以来ですかね」
ハデスは自分の迎えのためにやってきたものと思い、大いに歓迎した。
「さっそく出陣と行こうではないか」
ヘルメスは行く気満々のハデスを見て驚いた。
「え、叔父貴。ギガスと闘いに行く気なんすか?」
「ああ、もちろんだ。その為にお前も来たのだろう?」
「いや、あっしは叔父貴にまた例の姿隠しの兜を借りにきただけなんですが・・・」
「えっ」
「えっ」
ハデスは驚く。そんな驚くハデスにヘルメスも驚く。
まさかハデスが戦う気満々だとは。
あっ!
そうか親父が送ったDM、あれが原因か!とヘルメスは一人ごちる。
「わしの迎えじゃ・・・なかったのか・・・」
ハデスはショックの余りうなだれる。ザグレウスは父の背中をなだめるように二度叩く。
ヘルメスは気まずそうに姿隠し兜を拾うと
「あの、いや、あれ、叔父貴!申し訳ないッス!」
そう言い飛び立っていった。
ハデス出番なしで可哀そう

肉弾戦

運命の三女神という神がいる。
それぞれ現在、過去、そして未来を担当する美しい女神たちだ。
普段は彼女らは糸を使い人々の寿命の長さを決めていた。
しなやかな絹糸のような指で寿命の糸を手繰り、未来を決めている。
そんな運命の三女神は敬愛をこめて『モイライ三姉妹』と呼ばれていた。

「ラケシス!アトロポス!三位一体で攻める!」
「おうよクロト!」
「承知した」
モイライの三姉妹は青銅の棍棒を片手に、背の翼をはためかせギガス達に襲い掛かる。
高機動なその立体的な動きはまさに三姉妹の息のなせる業である。
アグリオス・トオンの二人のギガスは、武勇に優れた巨人であったが、殴っては離れ、また別のモイライに殴られるの繰り返しで全く手を出せずにいた。

そうしてモイライ三姉妹の強烈な連携攻撃で、ボロボロになり立つのもやっとなギガス達。
「ここまでやられりゃ俺の出番はもうほとんどないな」
ヘラクレスの放つ二本の矢がアグリオンとトオンを貫く、崩れ落ちる二体のギガス。
「運命の女神の細腕には余るモンと思ってた」
そうヘラクレスが問うとクロトは青銅の棍棒を肩に担ぐ豪快な振舞とは逆に優しく答える。
「たとえ神であっても女は二つの以上顔があるもの。貴方も気を付けてね」
そう言い微笑むモイライ三姉妹を見てヘラクレスは
「女は怖いってのは神も人も変わらねェンだな」
ヘラクレスは苦笑いしつつ次の戦場へ向かうことにした。

山投げ火山投げ

山投げ

「荒れろ荒れろー!」
ポセイドンの三叉の槍でギリシャの海は大きく荒れていた。
波は高くうねり、ポリュボテス率いるギガス達はコス島に追い込まれていた。

コス島
トルコとギリシャの間の小さな島だけどこんなんよう投げれるな

「しばらくこの島影に隠れて、波が収まるのを待つか」
そうポリュボテスが言うとお互いに目を合わせ頷くギガス一同。
そんなギガス達を嘲笑うようにポセイドンはコス島を持ち上げ、ポリュボテス達に投げつける。
ポセイドンが投げた島に押しつぶされ、ギガス達は潰れ逃れることはできなかった。
「この海の上で俺から隠れるところがあると思うなよ」

火山投げ

ギガス軍はヘラクレスの活躍で一気に抑え込まれていた。
戦争開始当初はその数と勢いに任せ、オリュンポス軍の侵攻を完全に止めていたが今では徐々に各軍が孤立していた。
ヘファイストスと戦っていたギガスのミマスは自身が完全に孤立していることに気付く。
ヘファイストスは鍛冶の神。ドロドロに焼けた岩を操る術に長けていた。
孤立したらもうこっちのもんだと言わんばかりに焼けた岩でミマスを囲っていく。
ミマスは必死に抵抗するが、抵抗空しくついには完全に閉じ込められてしまった。
止めと言わんばかりにヘファイストスはベスビオ火山を投げつけ封印することに成功した。

ベスピオ火山
今では自然公園になってるみたい

「やれやれ、これで少しはおとなしくなってくれればいいんじゃが」
ヘファイストスはその場に腰を下ろすと自分の肩を労わるようにトントンと肩を叩いた。

撤退、そして

オリュンポス軍は最強の英雄ヘラクレスの活躍によって、ギガス軍そしてガイアを追い込んでいった。
一点窮地に立たされたガイアは最期の戦いを挑むために、自身最強の手札を切ろうと世界の果て奈落であるタルタロスへ向かっていった。
「こいつを呼ぶ羽目になるとは、世界をそして宇宙全てを崩壊させよう」

ガイアが去った方向から海の果てから光る無数の目がオリュンポスを見つめていた。

後書き


ルカ・ジョルダーノ作 ギガンテスとの戦いにおけるミネルバ
省略された闘い

ヘラクレス活躍し過ぎで長くなりすぎ。
これでもアテナの皮剥ぎとか思ったより肉弾戦得意なディオニュソスとかの闘いを削っててこれ。
ヘラクレスの12の試練とかの掘り下げはまたどこか別の機会でやりたい。
あとヘラクレスの強キャラなイメージはFFTのガフガリオンさん。

あとハデス大好きなのに、ギリシャ神話本編だと可哀想すぎてちゃんと活躍の機会を書きたい。

次回はギリシャ神話界の最大の悪夢がやってきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?