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分解者|旅する大学番外編?@広島

出雲旅する大学で出会ったトビムシの竹本さん、文化人類学者の松嶋さんのお話を聞きに広島へ。

竹本さんとプライスレスという話をしていたけれど、絶対おもしろいってわかってるものがあったら、もう費用がどうこうとかじゃなくて。まさにプライスレス。旅する大学の友人たちとも思わぬ再会でうれしかった。

トビムシは分解者という一言目でもうビビッときた。
藤原辰史さんの『分解の哲学』の中で、経済学的には生産者と消費者に分けられるけど、生態学的には分解者もいて、今の社会には分解者が必要だよね、という話があったけど、(株)トビムシはなるほど、この社会の分解者なのかと。
玉野井先生的に言えば、それは高エントロピーを低エントロピーにする生命系ということで、やってることは地域主義からの生命系の経済の実現そのものだった。(そう感じるポイントやキーワードがめちゃくちゃあったのでこれはこれでまたどこかで書きたい)

最初の2-3年は調査という名目で地域に入って、茶を飲み酒を飲み、その地域の構造を紐解き本質的課題を見つけ、アプローチが見えてきたら必要なプロフェッショナルを呼んで必要な事業を作っていく。
だから、全国十数箇所で行ってる取り組みは、そこに至る過程も結果も全く違う。
県や国という大きさで考えないで、「わたしたち」として応答できる町や村という大きさで、その数を増やしていく。
再現可能な同じ方法を確立していく自然科学的なものではなくて、個別具体の事例を扱う社会科学的なアプローチ、というのがめちゃくちゃ腑に落ちた。

というのも、私が今やってる自治体とのお仕事は、会社として目指してるのは生命系の経済的な方向性だけど、方法論的には自然科学的な感じだし、県とか大きめの単位が多い。
社会科学的なアプローチもできるし、している人がいるというのはひとつ大きな気づきであって希望だった。

学部でフェアトレードをテーマにして、計量経済学的に支払意思額に影響を与える属性や情報を研究したけど、本当に知りたかったのは1人の人間がどう関心を持って行動が変わってくのかということだったし、それなら事例研究だ、と気づいた時と同じ感覚だった。

どっちがいい悪いはなくて、どっちもそれぞれに価値があって大事だけど、それぞれの方法の強みやできることには違いがあるので、それを理解したうえでやることが大事。
自分がこの2年近くやってることの抽象度を高めて、大学院での学びともつなげて整理できた、ほんとにいい機会だった。

わたしたち、応答、責任、諸地域、内発的、外に閉じない(→開放系)、共同体、自治、動的平衡、重層的、風景、共感、連帯、再帰的、公助、共助、自助、民主化…
メモったキーワード見返すと完全に人文系の講義かなんか。笑

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