抱きしめてあげれていたら良かったこと
下の子を出産した時
上の子を義実家に見てもらっていた
入院期間の一週間
いつ遊びに来てもいいように
少し広めのお部屋を借りた
出産して1日目
一緒にお見舞いにきてくれた
嬉しかった
「見に来てくれてありがとう」
2歳半の息子は小さく頷いていた
生まれたばかりの弟に、手がかかっていた私は
お話をするのでいっぱいいっぱい
ジュースを飲んで、息子は、タクシーで帰って行った
タクシーの窓から、振り返りながらバイバイをしてくれた
ギュッてしてあげれなかったな…
また明日来てくれるかな…
でも、それから
退院するまで一度も来なかった
理由は「ママに会いたい」と言わなかったからだそうだ
息子は、従順な子だった
小さい頃から、あまり無理を言わない
お利口さんな子
仕事終わりの週末、義実家に一緒に泊まっていた夫から聞いた
お泊まりしているある夜
お布団の上の息子の目が涙で濡れていたこと
声を立てて泣くでもなく
だだじっと…
涙だけが溢れていたこと
一緒にいる時間はかけがえのない時間だ
ギュッと抱きしめてあげれなかった、あの日を悔やむ
愛は、言葉や形になって
相手を安心させ、守ってあげれる
目の前の愛しい人を抱きしめてあげれるのは
今、今この瞬間だけ
もう、20年以上も昔のこと…が私に教えてくれる
毎日のなんでもない時間の中に、記憶に残る大切な永遠が存在していることを…