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子育て世帯の新型コロナ感染記録

コロナに感染しました。知見というほどでもないですが、子育て世帯には参考になることがあるかもしれないので、記録としてまとめます。

家庭の状況

横浜市在住。私は東京へ隔日出勤、夫は市内へ毎日出勤、子ども二人は保育園児。私が勤務しているビルでは、別フロアで陽性者がかなりの人数出ていたし、夫の会社でも1名出ていた模様。保育園からも職員がPCR検査を受けたという連絡網が2回まわってきていた。陽性が出たのは夫だが、正直どこから感染したかは不明。

家族4人で暮らしていれば、その分感染確率は上がると思うし、ここまで感染が広がっていれば罹患するのはもう運だと思う。

感染経緯

8月上旬、私が発熱しPCR検査を受けるも陰性。ほっとしたのもつかの間、8月中旬に夫が発熱、陽性。家族は保健所から濃厚接触者の指定を受けるものの、「陽性でも陰性でもどのみち濃厚接触者で自宅療養なので、検査は任意」といわれる。夫は動けず、私も発熱、さらに大人と子どもは別病院でのPCR検査になると言われたので、PCR検査を受けにいく体力がなく断念。コロナ陽性が確定したのは夫のみであったが、私も味覚障害が出たのでコロナだった可能性は高い。

予防接種

私は勤務先のビルで職域接種が行われていたが、巨大ビルなので人数が多く、特定フロア以外は40歳以上優先という縛りがあったため受けられなかった。幸い?基礎疾患があったので(咳喘息)、横浜市の基礎疾患枠で8月下旬に接種予約をしていた。(しかし自宅療養期間でキャンセルとなった)職域接種もなく基礎疾患もない夫は予約すらできない状況だった。つまり夫婦ふたりとも接種していない。

家庭内の対策

夫が発熱し、まずは夫を寝室に隔離。といっても我が家は1LDKしかなく、控えめに言って地獄であった。寝室が使えないとなると残りはリビングしかなく、私と子ども2人はここで過ごし、ここで寝るしかない。ベランダが6畳あるのがせめてもの救いだった。プールをしたりピクニックごっこをする。

夫の世話をするため、私は感染対策に自宅内でもマスクを着用。しかしその甲斐なく、夫の発熱から5日後に発熱。私が発熱してからは、子どもにうつさないために接触は最小限にする、喚起をこまめにする、ベランダで過ごすなど努力はしたが、もうはっきり言って無駄。3歳5歳を放置するわけにはいかないし、自宅から出られない、外部の助けも呼べない。1日中一緒に過ごすしかないし、寝かしつけでは密着している。子どもは無症状なだけでうつっていた可能性は高い。

保健所からの連絡

夫の陽性が判明し、保健所から電話がかかってくる。そこでWEBアンケートに回答するように言われ、パルオキシメーターを郵送するための現住所や同居家族の電話番号、自宅で隔離対策ができるか、どんな症状か、などを入力。翌日、そのアンケートをもとに私の携帯に電話がかかってくる。

開口一番「アンケートに隔離はできないとチェックがありましたが、隔離してください。陽性者との隔離ができないと自宅療養期間伸びますよ」と超他人事みたいに言われ、どっと疲れる。「隔離できています。でも私も発熱してますし、味覚障害も出てます。」とイライラが声に乗ってしまう。

「奥様の症状がつらいようなら、保健所に陽性者として登録があった方が安心かと思いますので、必要であればご自身で〇〇病院で予約を取って検査してください。濃厚接触者と言えば検査してくれるはずです。お子さんはこの病院では検査できないので連れて行かないでください。陽性でも濃厚接触者でも自宅療養なことに変わりはないので、検査は必須ではありません」と言われ、どっちにしろ自宅でじっとしているしか選択肢がないのなら、陽性者として登録されても安心ではないと思う。

他の方のnoteを読んでいると、1日1回保健所からの電話確認があったとか、すぐにホテル療養できたとか、食料が届いたとかさまざまな対応があるが、うちの自治体ではパルオキシメーターが送られてきたのと、保健所から3回電話があっただけだった。

ホテル療養

保健所から電話があった際、ホテル療養できないか聞いたところ、在住区では同居家族が医療関係者か教育関係者の場合でないとホテル療養はできないとのこと。ちなみに同じ横浜市内在住の義父も我が家と2日違いで陽性になり、発熱はわずか1日で全身痛や頭痛もナシという超軽症にも関わらず、陽性判明後すぐにホテル療養していた。

個々の事情など加味してたら保健所が回らないから属性で区切るしかない。それはわかるんだが、ワクチン後回しにされている子育て世帯がひーひー言いながら自宅療養しているのに、高齢者ってだけでワクチンが打てて陽性になっても軽症でホテル療養もできるんかぁとちょっと虚無になった。

隔離期間

隔離期間って地域で違うの?保健所内で統一されてないの?最初に夫に来た保健所からの連絡は「陽性者は発症から10日間、濃厚接触者である同居家族は2週間」だったのに私に来た連絡は「同居家族は10日間+2週間」だった。え、長すぎ…!

電話のあとに横浜市のページで確認し、濃厚接触者の自宅療養期間は2週間の記載があったので、夫よりあとに発症した私の発症から2週間で線を引くことに。つまり、約3週間の自宅療養である。

症状

個人差が激しい。夫は最初の2日間は38度前後、その後36度台に下がるも5日めに再び38度越え、酸素飽和度は94~96。94の時はちょっと辛そうだった。全身がずっと痛くて熱が下がっても動けず、12日間寝たきり。5キロやせる。頭も割れるように痛かったらしい。子どもを見るなど絶対に無理な感じ。解熱鎮痛剤を飲んでも体の痛みは強く、ゾンビのようだった。

私は38度が3日続いたが全身痛は軽く、頭痛がたまにあったもののなんとか子どものお世話ができる状態。産後に股を切った時のほうが痛かったと無意味な比較をして自分を鼓舞していた。酸素飽和度は94まで下がるが息苦しさは全くない。しかし味覚と嗅覚は消失。お湯とコーヒーの違いも分からない状態に。ちなみにこの記事を書いている今も味覚がないので、もう3週間近く味がわからない生活をしている。

子どもは3歳息子が39度出たものの、4時間くらいで解熱してケロッとしていた。ほかに症状はナシ。5歳娘はずっと元気。検査をしていないので子どもたちがコロナにかかっていたかは不明。

自宅療養withキッズ

一番つらかったのが私が発熱していた3日間。夫は動けない、子どもは元気、保育園には行けない、外部のサポートは呼べない、熱があっても自分が世話するしかない。この状況はものすごくつらい。母親は自分の具合が悪くてもケア労働に回りがちなので、自宅療養とは相性が悪すぎる。

食欲はないし味覚もないからものを食べる気になれず、それでいて子どもの世話はあるし、夫は発汗がすごくてシーツの替えがなくなりしかたなく洗濯し…みたいな生活をしていたので貧血に陥っていたのだと思う。発熱から3日目に急に脂汗が滝のように出て、気絶した。娘が「ママが死んだ!!!」と大騒ぎして夫を呼びに行き、あの時が一番カオスだった。

子どもは小学生くらいなら聞き分けがあるかもしれないが、お散歩行きたいと泣きわめく3歳をなだめるのはけっこうしんどかった。気晴らしのためにベランダでプールをやったが、体調悪い中でプールを準備するのはものすごい重労働である。せめて超軽症で済むよう、子育て世帯にも早くワクチン接種をさせてほしい。

仕事

私の会社はコロナになってからリモート体制を整えつつあったので、3週間休んでもなんとか仕事を回すことができた。取引先もコロナのためにリモートになっていたので、解熱後は日中は電話やメールで最低限のやり取りをし、子どもが寝た後に残りの仕事をしていた。

会社の人も「家族がいたら感染リスクも上がるし仕方ないよ」「もう誰がなってもおかしくないよ」「出社必要な業務があれば代わりにやるから」などと声をかけてくれて、私も誰かが困ったとき支えになろうと思った。ありがとうございます。

夫は出社必須の業種だが、ちょうど夏休み期間だったこともあり、夏休みと有給をすべてコロナ休暇に変換することで円満に休んでいた。時期がずれていたらシフトの調整など相当大変だったと思う。ただ、お休み期間は何とかなったものの、寝たきりだったため筋力が落ち、荷物を積むなどの業務が相当きついらしく、復帰後は苦労している模様。

私も味覚と嗅覚が戻らないので、もしパティシエとかシェフとかだったらまだ仕事に復帰できていないんだろうなと思う。職種によっては復帰後も苦労するのがコロナである。

買い物

Amazonとネットスーパー、忘れた頃に届く週1のおうちコープが神であった。この時代でなければ我が家はコロナを乗り切れなかったと思う。3週間も家にいると家じゅうの食品がなくなる。3週間家ごもりしてみて、普段の防災備蓄も全然足りていなかったなと反省。改めて防災を考えるきっかけになった。

保育園のママ友で食材宅配とかネットスーパーとか一度も利用したことないって人が複数いたので、もう絶対に絶対に登録しておいてほしい。

あと、お子さんが小さい人は、粘土とかぬりえとかシールブックなんかのストックを100均とかで用意しておくといいと思う。防災備蓄の感覚で。うちは何のストックも用意していなくて、でもAmazonでおもちゃをいくつも買うのは出費がかさむし、100均行きたいーって思っていたら友人たちが続々と送ってくれてものすごく助けられた。ありがとうございます。

自宅療養を乗り切れるのは恵まれた人

自宅療養してみて思ったのは、恵まれた人しか乗り切れないのではということ。時給で働いている人は給料がどっと減るからネットスーパーなど割高なサービスを使うのを躊躇するかもしれないし、仕事の調整がむずかしくて人間関係が悪化するかもしれないし、孤独を感じてメンタルが不安定になるかもしれないし、部屋数が少なくて陽性者を隔離できずに療養期間が延びている人もいるかもしれないし、家族との関係が悪いのに2週間缶詰めになってつらい思いをしている人もいるかもしれない。

2週間自宅療養ができないさまざまな事情がある人たちにとっては、感染を隠していたほうがメリットがあるし、そもそも感染しても自宅療養しか選択肢がないのであれば「もう検査受けなくてもいいや」と出歩く人も出てしまうと思う。そして感染拡大は止まらない。

医療崩壊している、ホテルが足りない。その状況もわかるけど、自宅に2週間こもって自分で何とかしてねってのはなかなか厳しいと感じた。

後遺症やその後の生活

夫は仕事に復帰したけれど、筋力が落ちて荷積みなどひとりで仕事をできる状態ではなく、少しずつ筋力を戻していかないといけない状態。また、頭痛がすっと残っているらしく、いまだに鎮静剤を手放せない。

私は味覚と嗅覚がないので、食生活が本当につまらない。「息抜きにおいしいものでも」ができない生活は味気ないと感じている。ただ、味気ないだけでそこまでは困っていなくて、むしろ生活で不便に思うのは嗅覚がないほうなのが意外だった。

このタオルちょっとかび臭いからぞうきんにするかとか、排水溝が匂うからそろそろハイター消毒するかとか、息子がおむつにウンチしたとか、においで判断していたことがこんなにも多かったのかと新鮮な毎日である。

最後に

重症化しやすいのは高齢者とずっと言われてきたけど、社会的な影響は若い人でも大きいのがコロナである。会社にいけない、学校にいけない、保育園にいけない、買い物に行けない…出歩けないのは相当につらい。

そして、日本の狭い住宅事情では家庭内感染を防ぐことも相当に難しいと思う。ワクチンを接種しても軽症で済むだけで、罹患しないわけではない。陽性になった時点で自宅療養期間になる。感染対策はしっかりやって、少しでもリスクを減らして過ごすことが大事だと思う。(それでもかかるのが現実だけど)

そして、いつかかってもいいように準備しておくこと。かかった場合の食品の手配、使えるサービスの精査、備蓄、子ども対策、会社の制度の確認、リモートワークの体制強化、できることからやってみることをおすすめする。


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