見出し画像

箱根駅伝2022オーダー予想①〜青山学院の3本柱を何処に置く?〜

 出雲2位、全日本2位と安定した成績で箱根駅伝優勝候補に名前の上がっている青山学院大学には、往路を務めるのではないかと目される所謂【3本柱】が注目されています。

・近藤幸太郎…2021年出雲1区区間賞、全日本7区2位
・岸本大紀…2020年箱根2区5位、2021年全日本3区3位
・佐藤一世…2021年出雲3区3位、全日本5区1位

 ご存知の通り箱根の往路は5区間、うち山登りの5区は特殊区間として、残り4区間
 そこにこの3本柱をどう配置するのか、というのが青山学院や箱根ファンの間で議論になるのではないでしょうか

 より簡潔に述べると、以下の2つのパターンがあります。

①1区から3区に3本柱を置くパターン
②2区から4区に3本柱を置くパターン

 今回はこの2パターンについて、特に3本柱が走らない1区/4区に焦点を当てて思っていることを書き連ねていこうと思っています。宜しければご覧ください!
 またコメント欄で色々と意見もらえたら幸いです!あえて3本柱の誰かを復路に回すとか第3のパターンも大歓迎です!

①1区から3区に3本柱パターン

 仮に置いてみるとしたら一世-近藤-岸本みたいな形ですかね?
 非常に王道でオーソドックス、強くて信頼できる3人を他大のエース達と競わせてなおかつ先手を取ろうとする形になります。
 そしてこのパターンでは、4区に3本柱以外の選手を置くことになります。5区は特殊区間ですから一旦置いておきます。

 この場合の4区を誰が走るのか、ここは非常に意見の分かれる所だと思います。
 世田谷ハーフ好走のルーキー田中選手、宮古ハーフとMARCH対抗戦で結果を残したルーキー太田選手、前回の往路経験を生かして中村唯選手、西久保選手や宮坂選手と言った意見も見ました。
 とは言え誰が走るのかは一旦置いておき、まずはこの形のメリットとデメリットについて考えたので簡潔にまとめます。
 後で詳しく説明するのでふーんと思っていただけると幸いです。

メリット:
3区終了時点でのポジションが計算しやすい
デメリット:
考慮すべきタスクが多い

 多分メリットは大して難しくない話だと思います。
 3本柱を投入するのだからまぁ遅れることはないでしょうし、駅伝の鉄則である先手必勝で流れに乗り上位で襷を繋げる計算が立ちます。
 ではデメリットは?みそになるのは青山学院は3本柱を投入しても恐らくトップに立てていないということです。

①-1絶妙な位置にいる青山学院

 3区終了時点で最も先頭にいる可能性の高いチームは?と聞くと、多くのファンが東京国際と答えると思います。
 出雲を圧勝し、全日本も山谷ヴィンセント丹所の3名を使い切った6区終了時点ではトップでした。
 この3人を往路1区から3区で並べると監督自身が打ち上げたことで、この時点での優位性は揺るがないでしょう。

 またオーダー次第では駒澤が先行している可能性もあります。
 全日本覇者の駒澤も田澤選手や芽吹選手、春のトラックで存在感のあった唐澤選手やロードに定評のある花尾選手の4人のうち3人を1区から3区に入れてくると先行している可能性が高まります。
 とはいえ大八木監督の復路逆転を狙う発言を見るに全員往路は考え辛いですが。

 更に三浦龍司という規格外の選手をかかえる順天堂も、1区で流れに乗りまだ追いつけていない可能性があります。
 4区は石井選手か伊豫田選手と読んでいますがどちらも実力者、簡単に抜かせる相手ではありません。
 万全であれば早稲田も高レベルな選手が揃っているので秒差や同着でもおかしくないです。
 その際も4区は菖蒲選手や鈴木選手の走りをしっかり追う必要があります。

 一方で國學院東洋創価明治といった面々はこの区間から挽回してくるでしょう。明治鈴木選手や創価嶋津選手と言った流れを変え得るランナーが追ってきたとしてもその流れを明け渡すわけにはいきません。
 こうした大学の特徴は総合力が高く最初3区間でアドバンテージは取れない一方で、5区に強みがあるので4区から反撃できる戦力を投入してくる傾向にあることです。
 國學院明治だと5区候補に激坂王好走の殿地下條両選手、東洋創価は言わずもがな前回の5区好走した宮下三上両選手がいます。
 青山学院も5区に経験者がいるとはいえ彼らの追撃も最小限にとどめなければ先手を取った意味がなくなります。

 つまり青山学院の4区は単に前を追うわけでも後ろだけを気にするわけでもない絶妙な位置になると思います。
 先行する東国のタイム差、ほぼ同着で走り始めた有力校の動向、後ろから追ってくる5区自信ありチームとのタイム差を考慮しつつ冷静に走る必要があるのです。
 その上4区は後半にきつい上り坂があり、気温の上昇も1番激しくなる難コースです。
 こうした状況をまとめ、私は【考慮すべきタスクが多い】と表現しました

②2区から4区に3本柱パターン

 このパターンで仮に置いてみるとしたら、2区から近藤-岸本-一世でしょうか。
 3人ともしっかりと前を追える選手で、また適性にも非常に合致しています。
 こちらを推しているファンの方も多いのではないでしょうか?そしてこの場合は言わずもがな話題になるのは1区の人選です。 

 さて誰を置くのがいいでしょうか?
 自ら希望区間に名乗りを挙げていた太田選手?全日本で1区を担当し好走した志貴選手?チーム内でも定評のあるラストスプリントを持つ中倉選手?何度か1区を経験している湯原選手の積み重ねに託すというのもあります。こちらもあげ始めるとキリがないくらいですね。
 ここでも誰が走るのかは一旦置いて、このパターンのメリットとデメリットを簡単にまとめます

メリット:
レース中に考えることが少ない
デメリット:
もし遅れた時の代償がでかい

 ここもメリットは先ほどの話と照らし合わせるとそう難しく無いと思います。
 このパターン1番のメリットは、1区は前についていくことだけ考えればいいということです。
 スローペース大歓迎、無理して先頭に立つ必要もなく、先頭と30秒以内で繋ぎさえすれば3本柱が何とかしてくれる。
 一見するとこっちの方がメリットが大きそうに見えます。

②-1数十秒が命取りの1区

 デメリットもパッと読むとまあそらそうよという内容です。
 そら遅れたら影響でかいでしょと肌感覚で理解している方が多いと思いますが
 ではどれだけ遅れるとまずいのでしょうか?私はどれだけやらかしても1分以内というのがひとつの基準だと睨んでいます。

 ここでひとつ皆さんに簡単なクイズです。
 過去20年間の箱根駅伝で、優勝したチームが1区1位だったチームと1分以上離された事例はいくつあるでしょうか?

 答えは…1回です。あるんかいと思いましたか?ただそれは箱根ファンなら皆さん知っている、あの東海大佐藤悠基選手による空前絶後の区間新記録が生まれた2007年大会になります。

 あの大会は1区から2位と4分差ついたり、3区と5区でブレーキがあって往路のうちに順天堂が逆転したりと色々参考になりませんが、その特殊な一例のみとなります。

 今回順天堂は三浦選手、中央は吉居選手が1区を仄めかすなど最序盤区間から勝負を仕掛けてくる見込みの他大学に対して、もしこの②のパターンを踏むなら何があっても絶対に失敗できない区間になることは間違いありません。

 更にひとつ付け加えると、2区を希望している近藤選手はまだ三大駅伝において1人ぽつんと遅れた状況から走り始めた経験がありません。

 今季絶大な強さを誇った青学のエースが唯一経験したことのない位置で襷をもらうことになる、勿論そうした展開も苦にしないのかもしれないですが、なるべく避けたいのは確かでしょう。

 1区の怖さはほんの10秒のミスで後のランナーに大きな影響を与えることです。与えられるタスクは少ないですが確実にこなすことが必要になります。

結論

 私の意見をまとめるとこうなります。

①のパターン:
4区には周りに流されず冷静に複数のことを考えて走れる選手
②のパターン:
1区にはどんなレースでも大崩れせず安定感のあるレース運びができる選手

 具体的に名前を挙げるなら①なら4区中倉選手、②なら1区太田選手が適任ではないかと思ってます。
 前回の箱根で前と1分,後ろと30秒という絶妙な位置で走り始めて前を追えた中倉選手は、今年世田谷ハーフでも好走し坂への対応力も見せつけました。
 太田選手は三大駅伝こそ出走はないですが非常に高いレベルでトラックもロードも纏めており、少なくとも外から見ると今季1番安定している選手だと思います。

 そして個人的には①のパターンで行きたいですかね。やはり1区遅れるのは怖いので…しかしだからといって4区の人選が簡単かと言われるとそうでもないというのが個人的な感想です。

 さて当日はどうなるのか?3本柱は何処にくるのか?①なのか②なのかそれとも全然違うパターンでくるのか?壮行会で話していた走りたい区間は何処まで信用していいのか…

 毎年驚きのオーダーで楽しませてくださる原監督のオーダー配置に今回も期待しましょう。

 それでは、ここまで長文にお付き合い頂き誠にありがとうございました!
 気が向いたらまた他の大学でも書いていきます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?