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認知症介護って簡単な脳科学だったパート3

お金の隠し場所

やっと免許返納も出来てホッとしていると、新たな試練が・・・

郵便局で100万円引き出し、日中は父が肌身離さず持ち歩く様になってしまたんです。これは家族が気が気ではありません。
父が出掛ると、すぐ後を探偵並みに尾行しお金の出し入れが無いかを確認する事になりました。

ある日父が100万円持って出掛け、雄二くんが尾行してくれていました。帰宅し父が見ていない時にお金を確認すると・・無い!!
尾行担当の雄二くんは目は離していない!お金はどこ!? 100万円はどこ!?と私達は大・大騒ぎ。
当の本人は何事も無かった様にすまし顔のまま。
必死で外や、家を探していると、
母が『そう言えば、2階に行った事があったよ』と教えてくれた事で、100万円は父が2階に隠していた事が判明し、全員でホッしました。
ここから100万円隠しが始まったんです。
ちなみに私は、2階に父がこっそり上がって行った時、隠している様子を【家政婦は見た!シリーズ】の様に、柱に顔半分隠し犯行現場を息を殺し覗き込んで見ました。
写真のお金の飛び出し具合の微調整が永遠に続き、私は肩が上下に揺れるくらい笑い声を堪えて見ていました(笑)
その後すぐに来た、雄二くんと聖さんに臨場感たっぷりに伝え、大爆笑になったのは言うまでもありません。(笑)


シフト制

この頃は夜に出掛けたりする事もあり、家族でシフトを組んで。

居酒屋を経営している姉夫婦は夕方まで。専業主婦の私は、家族の食事等を準備し夕方から11時位まで。兄の昭司は勤務先が少し遠く、移動に時間がかかったので、いつも深夜から出勤前の5時位までになっていた。
お金隠しは、昭司の深夜帯に良く行われていて、タンスの物を全て取り出して隠す。を繰り返していました。
昭司は深夜帯の担当で、父が活発な時以外は就寝している時の担当なので、父の記憶に全く残らず、時には『昭司は何も役にたたんっ!!』と言われてしまう程(笑)でした。残念な役回りだったけど、私達はちゃんと感謝してるよ。


現金ヤルヤル詐欺乱発(笑)

父のポシェットはいつも100万円入っていて、家族や孫か来ると決まって
父:『お金に困っとるとやろう?お金ばやるけん。』と言い
私:『お金はあるよ!大丈夫!』と言うと
父:『よかけん!!!お金はやる!!!』と怒りながら言っていました。
が・・ここから全くお金を出す事は無く、私はこの事を
父が現金ヤルヤル詐欺に手を染めた!!と言って皆で笑っていました。
被害者は私の子供達にも及び、中2の息子はこのヤルヤル詐欺に対して
被害届ば出さんばっ!』と言いながら爆笑する始末。
でも、1番の被害者はヨシコ叔母ちゃんでした。

父が、雄二くんにヨシコ叔母ちゃんの所に連れていって欲しいと言い、理由を聞くと、真剣な顔で
『ヨシコ叔母ちゃんがお金に困っとる!!・・・・・様な気がする。』と。
笑を堪えるのに必死でした。
ヨシコ叔母ちゃんへは事前に行くことを伝え、父の状況も共有してくれていました。
テーブル越しに向かい合って座り、たわいもない話や、お互いの近況を話し、一段落したタイミングで父が話を切り出します。
そうです。ヤルヤル詐欺です。
でも今回は現金50万円を直接ヨシコ叔母ちゃんへ渡したんです。なので詐欺では無くなりました。
しかし、テーブルの下では雄二くん達がその50万円を回収すると言う、新手の詐欺集団に変化し、ヨシコ叔母ちゃんはやっぱり、ヤルヤル詐欺に遭ってしまったんでした。
ヨシコ叔母ちゃんあの時はごめんね(笑)。

危険な徘徊で涙

父の中では昼夜の感覚が鈍って、夜に郵便局に行くこ事も多くなりました。
夜の担当は昭司なので話を聞くと、昭司は父が行きたいタイミングで怒らず黙って同行していたそうです。郵便局が閉まっていたら諦めるからと。

深夜に郵便局に行き、窓をコンコンと叩き、『すいません。中村でーす』と行って帰ってくる。こんな事をしていたそうです。
これも根気のいる行動ですよね。

ただこの頃は、攻撃的な状態の時も増えていた事もあり、自宅の刃物関係は見え無い所に隠す様になりました。それと父は大工をしていたので、作業部屋の刃物も隠す事に。だって刃物だらけなんですもん(汗)

父は、雄二くんに『ニッパーを準備せろ!』、『バールを準備せろ!』と日に何度も言う様になってきました。本当に物騒です。

程なくすると、攻撃的な状態のまま、深夜に知人の家に向かう事も出て来ました。日中は誰かが居るので何とかなるんですが、夜に誰も付けない事もあり、家族ぐるみで仲良くしていた近所のおばちゃんへ私は電話をかける事にしました。

私:『おばちゃん?』と声を確認すると、私は涙が溢れ出て言葉にならず嗚咽してしまいました。
今思えば、この頃私も追い詰められていたんだと思います。
少し落ち着いて
『おばちゃん。今父ちゃんが興奮状態で、もしかしたら夜中に玄関に行くかもしれん。この前も近くまで行ったらしくて・・・』と言うとまた涙が溢れ出しましたが、泣きながら続けて
『もし夜中に父ちゃんが来たら興奮してるだろうから、迷わず警察に電話して!』と言うと、私はわんわんと泣いてしてしまいました。
おばちゃんは『あんた達も大変かね』と優しい声で、『わかったよ!』『何かあったら相談せんね』と言ってくれました。今思い出しても涙が出て来ます。
私も限界でしたが、母もまた限界な様でした。



次回【郵便局襲撃に向かう5秒前】他

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