【ネタバレなし】映画って本当にいいものですね⑤:天国から来たチャンピオン(1978年)

「亡くなった人が天国から戻ってきて別の体に乗り移る」映画の走り

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「ゴースト」にしろ何にしろ、「死んだ人が現生で別人に乗り移る映画なんだ」と聞くと、つい「ああ、天国から来たチャンピオン系統の映画なんだね」と思ってしまう。そんな映画です。
 ※元々は1940年代のある映画のリメイクのようなのですが、まだそちらは見たことがなく、この設定が市民権を得たのはこの映画からなので、こんな風に思っています。

乗り移り×アメフト×恋愛?

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主人公のジョーはNFLトップチームの控えQB※。スーパーボウルの出場が決まっていながら直前に交通事故で死んでしまうのだが、担当天使のミスであと50年寿命があるにもかかわらず死んでしまったことが分かる。
ジョーは猛抗議した結果、死んだばかりの人間に乗り移れることになる。選り好みの激しいジョーだったが、ちょうど死んだばかりの若い悪徳富豪に乗り移ることにする。決め手は、公害問題で抗議にきた若い女性に一目ぼれしたこと。ジョーの恋は、スーパーボウルへの夢は、果たしてどうなるのか・・・
※QB・・・パスを出す司令塔。サッカーの10番(どちらも一時代前のイメージですが)

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第51回アカデミー賞で9部門にノミネート。美術監督・装置賞を受賞。ゴールデングローブ賞 映画部門 作品賞受賞。

当時、CGもない中で撮影がされているのだが、特にアメフトのシーンは秀逸。ただ、何といっても素晴らしいのは脚本・・・コメディ、ヒューマンのバランスが実に素晴らしい。どちらとしても成立していて、目を引き付けて離しません。そして、ちょっとした伏線が実に効果的に回収されていく。あ、これがこんなところで・・・。

実は友情物語

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ジョーの夢はアメフトのスーパーボウル出場&優勝。大富豪に乗り移ってもそれは変わりません。様々な手段を講じる中で、彼にとっては必要不可欠である、親友のトレーナーのマックスに転生した事実を伝えるのですが・・・。
二人三脚で追い求めてきたスーパーボウルの夢。転生してまでもそれを実現しようとするジョーと、それを支えるマックス。この二人の友情でこの映画を見たとき、このコメディ映画は涙を禁じ得ない映画になります。そういえば、「海の家のピアニスト」もそんな映画でしたね。CMで恋愛シーンばかり流れるのでそういう視点で見に行った方も多いようでしたが、あれは「恋愛ものの皮を被った友情映画」です。

彼らのストーリーはどのような結末を迎えるのか。重すぎず軽すぎずの絶妙なバランスのストーリー、そしていつまでも余韻が残る。是非ご覧ください。


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