映画って本当に良いものですね①:セントオブウーマン

【ネタバレなし】

※ジャケットに書かれているくらいの話は書いてあります。

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個人的には、アル・パチーノといえばゴッドファーザー三部作よりもこれ。「アル・パチーノに圧倒される」映画。

1990年代のアメリカを舞台にした映画。アル・パチーノは、怪我により失明した気難しい傷痍軍人:フランク中佐(中佐は偉い)として登場する。

ボストンのエリート大学に通うチャーリーは、田舎出身で奨学金をもらって大学生活を送っている純朴でやや引っ込み思案な学生。周囲には裕福な家のボンボンも多く、彼らは感謝祭や年末年始には海外の別荘に遊びに行く。一方のチャーリーは、感謝祭の間にバイトを行い、年末に帰省する資金を稼ごうとする。

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私が大学に通っていたころと同じで、大学にはバイトの掲示板がある。そこでチャーリーの目を引いたのが、「家族旅行に行くので、残る家族の世話をして欲しい」という高額バイト。その家族というのがアル・パチーノで、「叔父」に当たる傷痍軍人は離れに住んでいた。戸惑いながらも仕方なく引き受けるチャーリーを余所目に、家族が旅行に行った途端にニューヨークへ行こうとするアル・パチーノ。それに同行することになるチャーリー。

ファーストクラスの機内の中で、チャーリーがアル・パチーノに問う。「ニューヨークまで行ったら僕は戻ります。」「何をしに行くんですか?」「時期が来れば教えてやる」。

チャーリーが抱える悩みと、アル・パチーノが心の底に抱える感情、それが交差して・・・

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ストーリーの終盤は「いかにも」という展開になりますが、何と言ってもアル・パチーノの演技が素晴らしすぎる。

ゴッドファーザーは映画として完璧な映画ですが、アル・パチーノ個人について言えば、この映画が最高です。盲目の傷痍軍人の完璧な演技。ジャケットにも描かれる「盲目のタンゴ」も然り、まさにアル・パチーノのための映画。重厚でオシャレなセリフの言い回し。そして、合間に流れるチャップリンの「街の灯」の音楽(主人公の名前がチャーリー、そして盲目の軍人・・・)。観たことがない人は是非!

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ホテルの部屋にて・・・

「ジョン・ダニエルを並べろ」

「ジャック・ダニエルでは?」

「俺は付き合いが古いからジョンでいいのさ。」

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