【ネタバレなし】映画って本当にいいものですね④:カッコーの巣の上で(1975年)

※以下、ジャケットに書かれているくらいの話は書いてあります。

第48回アカデミー賞で、主要5部門独占

作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞と主要5部門を独占。1934年に受賞した『或る夜の出来事』以来、実に41年ぶりの快挙。

映画協会選出の各種名画ランキングに上位ノミネート

・映画史に残る演技ベスト200 1位(2012年 英『Total Film』誌)
・アメリカ映画ベスト100 20位(1998年アメリカ映画協会)
・感動の映画ベスト100 17位(2006年同協会)

1970年代アメリカン・ニューシネマの代表作。

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「卒業」「明日に向かって撃て」などと並ぶ、いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作の一つです。

アメリカン・ニューシネマは、
ベトナム戦争下のアメリカにおいて、戦場に兵士として送られる若者を中心に高まった「反体制的な」心情を謳った映画一連の映画で、アメリカンドリームと正反対の、不条理による絶望・破滅、安易な夢の破綻などをの結末に至るものが多いことが特徴です。
※ロッキーはこのアメリカン・ニューシネマを終わらせた映画として、映画史上において非常に価値あるものとされています。

本作の主演はジャック・ニコルソン。

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刑務所に収監されていたジャック・ニコルソンは、強制労働を逃れるために、精神異常を装って精神病院に入ってきた。そこでは、絶対的な権力を持つ婦長のもと、入院患者は徹底的に管理され、機械のような生活を送っていた(そう、チャップリンの「モダン・タイムス」を思い出します。人間性までも統率された閉ざされた世界)。入院患者たちはジャック・ニコルソンと出会うことで「人としての生活・自由」を求めるようになるのだが、ジャック・ニコルソンと婦長の対立は激しさを増し、そしてついに・・・

当時の精神病院とは。

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本作を鑑賞する前提として知っておいたほうがよいのが、1970年代の精神病院です。当時はロボトミー手術(手塚治虫のブラックジャックのある話を読むと、当時のことがよくわかります)が未だに行われていました。精神外科の発想で、脳に外科手術を行うことで精神疾患を治癒させるというものなのですが、様々な予後回復不良の問題が生じることが分かり、1980年代かな?からは行われていません。本作においてもロボトミー手術が出てきますが、こういう手術が平然と行われる時代だったということを認識したうえで是非観ていただきたいと思います。

ジャック・ニコルソンの怪演と映画史に残るラストシーン

やはり、何といってもジャック・ニコルソンの名演です。自由奔放で、人としての圧倒的な熱量、そして彼の代名詞とも言える「狂気」・・・これらがあのシーンに結びついていく。そしてあのラスト・・・

アメリカンニューシネマの神髄を知る、という意味だけでなく、ジャック・ニコルソンの怪演を観るためにも、そして、映画史に残るあのラストシーンを観るためにも、是非お勧めしたい1本です。

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