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名古屋の"美人"(2020/07/29)

 名古屋にいる宮原和也のことが心配である。ぼくのむかしの"イチオシ"宮原に陽性反応が出た。今回の感染症ってのはなにせよくわからない。プロのダイバーが肺をやられて廃業に追いこまれたなんてハナシもあった。後遺症とかないといいな。

 ファンサと無縁なぼくだけど、宮原のことをだいぶちかくで見たことがある。きれいなつくりのお顔だった。イケメンはイケメンなんだけどそれよりも"美人"だとおもった。そのときからひそかに"美人"とよんでる。

 本人はその美人なお顔でけっこう苦労してきたんじゃないかとおもう。インタビューとかでもどこか一歩引くあのしゃべりかた。あの手の美人にけっこうおおい。美人ドクトクの距離のとりかただった。

 ああいう美人やイケメンは「イケメンだからいいよな」「美人だしモテるでしょ」とかまァいじられる。しかも肯定しても否定しても「調子こいてんじゃねえよ」で逃げ場もナシ。そりゃあ距離もとりたくなるし、警戒して、ガードもたかくなる。

 去年サンフレッチェとのゲームまえのインタビューで、宮原のそっけないようすを"美学"ってひとくくりにされてるのを見た。ちがくない? 美学っていえばポジティブだけど、宮原のはもっとシリアスだろう。名古屋の記者さんにはデリカシーがないのかとすこしムッとしてしまった。

 でもグランパスのファン・サポーターは宮原を愛してくれてるみたいでよかった。その愛情を宮原もまっすぐに受け止めてるのをみると、すごいホッとする。ポジションをまんなかからサイドに移してあんなに走りまくってるのだって、シンプルに期待されてうれしいんじゃなかろうか。

 復活したらもっともっともっと名古屋で活躍してほしいし、もっと愛されてほしい。代表なんかもえらばれたりしたら最高だ。

 ――なんて、ここまで書いてて、ぐるぐると自分の中にどすぐろいものがうずまいてるのに気づいた。

 イヤ~そんなきれいに割りきれないなあああ!? イチオシだったんだからさ! ホントは和田ちゃんの後継者に、って思ってたんだよこっちからしたらさ。そしたらサンフレッチェは4バックやめちゃうし、和田ちゃんいなくなっちゃうし。で当の宮原は「実力不足です」っつって名古屋に完全移籍しちゃうしさああ!

 でもこの"実力不足"ってつまり、自分はボールもってなにかできるとか、フィジカルオバケだとかじゃないんで、ってことだったわけで。そう考えると、なんていうかヒツゼツにつくしがたいものがこみあげてくる。

 あーぁ、うまくいかねえな、ホントさあああ!

 などともだえてるのでありましたとさ。

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