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伝統的なミス(2020/08/07)

 自分のパスミスから失点。ピッチに両膝をついて、アタマかかえて、へたりこむ背番号7を見た。なつかしい光景だった。相手チームの監督がペトロヴィッチだってことが、なつかしさに拍車をかけていた。

 うしろで、相手にかこまれてもめげずにボールをつなごうとして「あ」っていう、あのおなじみのミスだった。あのおじさんの時代、よく見かけた。

 因果なものである。ミスをしたガクが、あのころのサンフレッチェを知ってる数すくない選手だっていうのも。おじさんがいたときはまだユースだったけど、あのサッカーをやるんだっておもっていたはずだから。

 あのミスをするまでガクは、チームの"おへそ"にたって、まるでピッチのなかの監督みたいだった。たくさんパスを受けてはさばく。プレーが色っぽかった。あちらのおじさんがもし監督だったら「使ってみたい」とおもうようなプレーぶりだった。中盤センター・ガク、ありじゃないか……。

 そしたらあのツメの甘さである。まんまペトロヴィッチ時代である。そこまで踏襲しなくても、ともおもったけど、なつかしかった。

 それに、かつてみんながとおってきた道だから。大スキなセンパイたちみんな、あの手のミスの味をしっている。そこからみんな大きくなっていったのだから、つぎよつぎ。血肉にしてくれればそれでOKです。

 しかしなるほど、とおもった。コレを目撃するための3000円だったのか、と。スカパーオンデマンドの再契約を踏み切ってよかった気がしてる。


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