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不器用なほうがそそる(2020/05/11)

 器用なニンゲンが苦手だ。スッと相手のふところに入りこめるひとなつっこさとか、飲み会で気がきくあのかんじが、ただただねたましい。逆に不器用なニンゲンを見ると、自分だけじゃなかったとホッとする。サッカー選手についてもおんなじ。たちまわりがへたくそな子を見つけると「わかるよ」と声をかけたくなってしまう。

 青山敏弘さんなんてまさにだ。寿人さんのあと、まったくFWとなかよくなれてないあたりとか「どうしようもないな、このひとは!」とスキになっちゃう。それでいてファンサービスはなんとも粋で、ひとをよせつけないってわけじゃないあたりも、いい塩梅である。

 そういえばここのところ、不器用の代表選手のひとりだった高橋壮也のYouTubeチャンネルを見ているのだけど、青山さんは壮也のことをどう思っていたんだろうか。もしかして動画で壮也がいっていた「こういうところがわるい」とクチをはさんできた先輩とは青山さんだったりするのだろうか。

 自分が不器用だったからおなじように不器用な後輩を放っておけなかったっていうながれだったらなんともいとおしい。しかもいまいち届いてないっていうのが、またたまらない。ニンゲンそうそうわかりあえない、というふたりの品のあるぶきっちょなかんじがいい。

 そして。わかりあえないからこそ、わかりあえたケースが極上なのだ。青山・カズの中盤センター、寿人とのホットライン、丸谷との師弟コンビ。そして中断中の練習風景にあったガクトとのペア。アオがふところにひとをまねきいれるそのさまはそれだけでとおとい。

 きっと壮也にそっけなくされたときも、アオちゃん苦笑いしながら見おくったんだろうな。その画がすぐに目にうかぶ。やっぱり器用なニンゲンよりぶきっちょのほうが圧倒的にそそる。

 あらためておのれの性癖を再認識した。とりあえずもう1回壮也のYouTubeを見直そーっと。


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