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"片道切符"はゆるされない

 大事な大事な仙波大志さんがベンチ入りしたというからJ2第28節、アルビレックス新潟vsファジアーノ岡山を観た。大志さんは後半57分、タッチライン際にサンフレッチェのときとおなじ44番をせおって堂々登場。話それるけど、やっぱり44番ってなんかちょっと仰々しいんだよなあ。あーでもそうか、数字おおきい背番号が苦手なのはじじいの証拠か。

 さて、すがたをみせた大志さんは、前屈をして股関節をのばしてから、肩甲骨をかるくほぐしながら投入のタイミングをまつ。プレーがとまり、河井陽介選手とタッチをすると、ふかくおじぎをしてからピッチにはいった。満田マコさんもやるけど、ああいうおじぎする精神性みたいなの、ユースっ子にはぜひ伝統にしてうけついでいってほしい。なぜならカッコイイから。練習場はいるとき一礼する青山敏弘さんが、ぼくは大スキなのです。

 しかし岡山にいっても大志さんはかわらない。ゴール方向に前のめりというか、ターンとかを駆使して、すこしでもはやくチームとしてゴールにせまりたい、というかわらぬプレーの了見を目の当たりにすると、ホッとする。タイヘンこのましい。この日も出場した32分+追加タイム5分、チームのアクセルをふみつづけた。

 とくにこのみだったプレーは3つ。舞行龍ジェームズ選手にイエローカードをプレゼントしたターン、ペナ角にバシっとつけたパス、コーナーキックのこぼれをそのまま蹴っとばしたミドル。どのプレーもチームを加速づけたんじゃないのっ……てぼくはおもう。ぼくは、ですよ。

 それにしても、つねにダイレクトにゴールへの道筋をとろうとする大志さんを見ていると「より道しているひまなんかない」という彼の声がきこえてくる気がして、勝手にうれしくなる。ユース・大学といっしょにたたかった仲間がはやばやと日の丸を背負ったことに彼が無関心なはずがないんだから。足ぶみなんかしていられない、とおもってゴールをめざしてるようでワクワクする。

 なんにせよかなりの覚悟をもってプレーしてたのはたしかっぽいので、ぜひ岡山でゲームに出て、スキッベさんにだされた課題をクリアして、とっととかえってきてほしい。とっとと。ゼッタイに。かえってきてくれないとこまるのだ。なぜなら柴崎晃誠センセの跡目をつぐのは大志さんだから。これはもう確定で。

 つまり岡山に片道切符って展開だけはゼッタイ阻止せねばならないということ。岡山で生きがいみつけたとか、岡山からほかのクラブへいきますとか、そんなのゆるされない。おかえりを首をながくしておまちしておりますからね、かえってきてくださいよゼッタイに。

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