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柏レイソル戦を観にいったときの話

「荒木隼人さんってどんなときも平然とプレーしてますよね~」などと得意げに記事をかいたら、直後の柏レイソル戦、荒木さんがオウンゴールした。

 オウンゴールなんて、ディフェンダーがいちばん動揺するシチュエーション。どんなときも、とかいちゃった手前、これで荒木さんが動揺しまくったら大ウソこいたことになる。一瞬、動揺した。荒木さんにとってもアンラッキーだったけど、ぼくにとってもツイてない展開だった。

 おもえばこの日はスタジアムにつくまでずっとツイてなかった。

 まずスタートから、用事がたてこんでキックオフにまにあわないトラブル。しかもぼくのいないスタジアムでは、メンバー外の選手もいっしょになってのウォーミングアップがおこなわれていた。

 いやもう「はァ!? なにそれ!」である。チャジさんいんのかい。ふだんメンバーにもいれないくせに、なんでぼくが遅刻したときにかぎってそういう"すごいよ一体感"イベントやるのかミヒャエル・スキッベ。ほんときらわれているなぼくは、まあなれっこですけど……などとひとり勝手にクチをとがらせながら電車にゆられていた。

 で、柏駅からあわててタクシーつかって日立台へ。運転手さんもキックオフ時間をしっていたのか「いそぎますね」と気までつかってもらって、なにもいってないのにビジターゲートのほうまではこんでくれた。ありがとうございます、柏にはいいタクシー運転手さんがいらっしゃる。

 無事ゲートにたどりついたぼくだったけれど、ここで今年イチの激震がはしる。スマホを確認しながら、なんかもうクラッと目まいがした。

「え。チケット、発券すんの!?」

 JリーグのアプリのQRチケットにすっかりなれていたもんだから、こまかいところをよんでなかった。チケット、紙だった。あわててちかくのセブンイレブンを検索すると、どれもうまいこと均等に遠いときた。ツイてないにもほどがある。でもまよっているヒマはない。太鼓の音を背中にききながらセブンイレブン柏千代田二丁目店にむかってとぼとぼとあるきだした。

 人どおりもなかったので、ちょっと行儀はわるいがタイムラインをチラ見しながらあるく。すると今度は「川村だいじょうぶか」というつぶやきが。「どういうこと? なにがあったの?」とおもっていたら早々に藤井智也さんと交代。「なんで⁉︎」さけびそうになった。また靭帯とかじゃないだろうな。しかしなんで拓夢さんばかり……。

 拓夢さんの交代に動揺しながらもセブンイレブンで発券、ビジターゲートまでもどり、ふらふらと自由席の、ちょうどメインスタンド側のいちばんはじにポジショニングした。なんだかんだ前半おわるまえにはたどりつけたなあ、とホッとひと息ついていたら、パッとレイソル・武藤選手がフリーになったのが見えた。やばい、とおもったら案の定失点した。えええ……。

 そしてとどめにハーフタイムあけ、荒木さんがはじいたボールがふんわりと大迫さんをこえてゴールにすいこまれていってオウンゴール……。今日は徹底的にツイてない、ぼくは肩をおとした。

 そんなぼくをすくってくれたのは、ほかならぬ荒木さんだった。オウンゴールしても荒木さんはぼくとちがって肩なんかおとさなかった。いつもどおり胸をはって、平然と相手の攻撃をふせいでくれた。さすが荒木さん。ぼくは信じてマシタヨ? DAZNで観ていたひとたちによれば、オウンゴールの直後もひきずっている様子はなかったとのこと。ひと安心。ありがとう荒木隼人さん、ひきずらないでいてくれて。

 ゲームは荒木さんがふんばったおかげか、後半2点とっての逆転勝利。結果的にはツイてる1日となった。ただ、前半の1ゴール目をみてなかったので、実は試合おわるまでドローだとおもっていた。試合終了のホイッスルがなって、なんでみんなこんなによろこんでいるんだろうときょとんとしていたのは、秘密だ。

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