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大○薬品、クレベリンを諦めてなかった

 昨年4月、空気中に浮遊するウイルスを除菌すると標榜する大幸薬品「クレベリン」に、商品には効果を裏付ける根拠がなく、景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、表示を取りやめるように消費者庁から措置命令が出されました。

さらに、2023年4月には、景品表示法違反で6億円の課徴金が課されました。(クレベリンの売り上げ202億円に対してたった6億円なら、やったもん勝ちだなと思いますが…)

4月11日、消費者庁は『空間中のウイルスや菌を除去できる』と表示して除菌用品「クレベリン」を販売するのは、景品表示法違反にあたるとして、商品を製造・販売する大幸薬品に対して、約6億円の課徴金の納付命令を出しました。

「空間中のウイルスを除去」クレベリンの広告表示に合理的根拠なし…大幸薬品に「約6億円」の課徴金納付命令 過去最高額 消費者庁


クレベリンとは、二酸化塩素を空間に噴霧し、それによって除菌ができると標榜している商品です。それについて上のリンクのnoteを書いたのですが、2023/8/15に大幸薬品の決算があり、その説明資料を読む限りでは、消費者庁に怒られたクレベリンをまだ諦めていないようです。

2023年12月期(FY2023)第2四半期連結決算報告

空間除菌について、詳しくは過去記事を読んでほしいんですが、空間除菌を通常生活空間で行う場合、人に影響がないレベルの濃度であればウイルスに効果はあまり無く、ウイルスにしっかり効かせようとすると人に悪影響が出ます。弱い力だとどちらにも効かず、強い力だとどちらもやられてしまうのです。

二酸化塩素を絶妙な濃度にするのは難しく、クレベリンに近づくほど空間濃度が高くなるので、部屋のウイルスに効果を出そうと思うとクレベリンの近傍は人間にとって危険な状態になると考えられます。

そこで彼らは、「二酸化塩素分子のチカラ」という効くのか効かないのか曖昧な表現で、今秋から新商品を投入すると発表しています。また怒られないように、実生活空間での機能は確認していないと注釈付き。

実生活空間で使えないものに意味があるのだろうかと個人的には思います。

2023年12月期(FY2023)第2四半期連結決算報告

実際、彼らが効果を示しているのは、超狭い空間での消臭、カビ抑制です。(下写真)

このような狭い空間で効果があるからと言って、これをもってエビデンスであるというのは、いささか乱暴ではないでしょうか(確かに効果はあるけど、実空間で効果がないなら意味がない)。

2023年12月期(FY2023)第2四半期連結決算報告

ちなみに株価もずっと低迷しています。大幸薬品にはラッパのマークの正露丸があるので、そちらに注力すればいいと思うんですが…

大幸薬品(Trading Viewより)

実際、正露丸は好調で2022年比で67.7%増です。特に中国で売れているようです。

2023年12月期(FY2023)第2四半期連結決算報告

クレベリンの新商品で起死回生を狙ってるのかもしれませんが、これだけニュースになってもまだ売れるのでしょうか。非科学的なものを推されると、他の商品の信頼度も下がると思います。

引き続き、今後の動向を注視していきます。

おわり

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