見出し画像

東京でシリアを理解するいくつかのこと。

2011年3月15日に勃発して以来、複雑を極めるシリア情勢。日本語のニュースでは、ほんの一部しか報道されないから、多くの人は今一体どうなっているのか掴めないというのが本当のところ。私もそう。ここに来て、少しリーチ出来るイベントが増えて来たのでご紹介。

①映画「セメントの記憶」、3月23日(土)公開!

当時、徴兵制によりシリア政府軍に勤めていたクルスーム監督は、シリアの巨匠モハメド・マラス監督作品のアシスタント・ディレクターとして映画のメイキングを担当していた。反体制派も多く働く撮影現場で、ジアードは自らのハンディーをスタッフや街の人に向け、自らの映画を作るようになる。二重生活に苦しんでいたジアードは、自ら作った映画『The Immortal Sergeant』の最後に自らの決断を宣言して終える———。

その後、レバノンへ移り本作『セメントの記憶』を撮り続け、ドイツへ移り、完成となった作品。

生まれた場所が違うだけで、これほど人生が変わってくるのだろうか。二重生活を送っていた際に秘密裏に撮影した映像を隠し持っての国の移動は、どれだけの心労があるだろうか。

②映画「アレッポの最後の男たち」、2019年4月13日(土) シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

ホワイトヘルメットと呼ばれる民間のレスキュー隊を主人公としたシリアのドキュメンタリー映画。戦禍であまりにも上手く撮影されているので、どういうことだろうとトークの登壇者が頭をひねるなか、下記のイブラ・ワ・ハイトの代表である山崎さんが、「この監督とも話をしたことがあります。数年間密着して撮影して、最初は協力的だったけれど、刻一刻と状況が好転するばかりか悪化の一途を辿るので、協力を得づらくなってしまったこともある中、使命感を持って撮影された作品です」と解説を頂いて、会場はあたたかい拍手に包まれた。今起こっている悲劇を、地球市民としてしっかり向き合っていく必要があると思う。

③Ibra wa Khayt(イブラ・ワ・ハイト):シリア人支援プロジェクト

イブラ・ワ・ハイトはアラビア語で「針と糸」を意味しますー泥沼のシリア紛争の中、生活基盤のほぼ全てを失った女性たちに「針と糸」で収入の道を開くプロジェトです。

シリア国内外の難民の数は膨大なものとなっており、被災者自身が生計をたてるための「自活支援」が急務となっています。とりわけ、極めて厳しい現状化にありながらシリア国内に留まざるを得ない人、あるいは、難民キャンプ外で国外避難を行っている人々には、実質的な支援が届いていないのが現状です。特に一家の働き手を失った女性・子供の世帯は困窮を極めています。そのような中、手芸品を製作・販売して、わずかながらでも収入を得ようとするシリア人女性が、シリア国内外に現れはじめました。いま、シリアでは、家、仕事、一家の大黒柱、そして社会インフラも含めて、生活基盤のほぼ全てが失われつつありますが、女性たちの手にはまた、独自の技術が残っています。


④2019年3月23日(土)14時より、“シリア危機8周年特別シンポジウム”を開催。

シリアを巡る報道が激減する今、本イベントでは、第一線の専門家をお迎えして、シリアの未来を徹底的に議論いたします。
世界がシリアを忘れ去る今だからこそ、ともにシリア危機を考え、私たちなりの関わり方を考えませんか?
予約不要です。ご参加をお待ちしております。
-----
◇ 日時:2019年3月23日(土)14時00分~18時40分
(開場:13時30分)
◇ 会場:早稲田奉仕園リバティホール(最寄り駅: 東京メトロ東西線:早稲田駅|東京メトロ副都心線:西早稲田駅)
https://www.hoshien.or.jp/map/
◇ 定員:100名(先着順)
◇入場料:1500円
→ シリア女性自活支援プロジェクト「イブラ・ワ・ハイト」の『くるみボタン』付き。ボタンはシリアの女性が手作りで一つひとつ、一針ひと針に想いを込めたシリアの温もりを感じられる素敵な作品です。シリア支援に繋がります。
※ 種類はこちらで選ばせていただくことを予めご了承ください。
◇予約不要:直接会場にお運びください
※FBイベントページ上での"参加予定"ボタンに押していただけますと幸いです。→https://www.facebook.com/events/2311417395807292/
◇プログラム
13:30 開場・受付
14:00 開会挨拶 Stand with Syria Japan理事 山澤宗市
第1部 革命
14:05 「サウラの記憶:恐怖と沈黙の壁を越えて」
山田一竹(Stand with Syria Japan代表)
14:25 「<内方浸透>に抗うシリアの記録映画」
岡崎弘樹(アラブ近代政治思想・シリア文化研究)
−特別企画−
15:05 “シリア人特別ゲスト” [スカイプ登壇]
第2部 内戦
15:50 「失われた故郷:アレッポで見たもの」
藤原亮司(ジャーナリスト|ジャパンプレス所属)
山崎やよい(イブラ・ワ・ハイト発起人、考古学者)
16:30 「シリア内戦:報道と真実」
黒井文太郎(軍事ジャーナリスト)
第3部 ディスカッション
17:10 「徹底討論:シリアはどこへ向かうのか」
岡崎弘樹×黒井文太郎×藤原亮司×山崎やよい×ナジーブ・エルカシュ×山田一竹
モデレーター:山澤宗市
18:10 会場との質疑応答
18:40 閉会
※プログラムはやむを得ない事情により変更する可能性がありますこと、予めご了承ください。
-----

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?