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患者さまの声を聴く「ペイシェントサロン根津」に参加しました

ペイシェントサロン協会の鈴木さんが開催している勉強会「ペイシェントサロン根津」に参加しました。なんと、今回で第130回目だそうです。

ペイシェントサロン根津では、「よりよい医療」について参加者同士でディスカッションを行いました。参加者は、病気を患った経験のある患者さまや、医療者、harmoのメンバー、合計14名が参加しました。

電子おくすり手帳を使ったことがある方は、参加者10人中1名でした…!(harmoメンバー4人を除く)
まだまだ普及率が低いと実感しました。

電子おくすり手帳を使ったことがない方も多いということもあり、今回はharmoの髙野さんから、電子おくすり手帳の歴史や背景、基本的な使い方や機能について説明をしていただきました。

電子おくすり手帳の説明をするharmo髙野さん

■電子おくすり手帳ってどういう機能があるの?

従来、紙のおくすり手帳ではできなかった機能として、服薬アラーム機能があります。電子ならではのシステムですね。通知の時間は初期に設定し、飲み忘れを防ぐことができます。

また、ご自身の記録だけでなくご家族の管理も可能です。離れて暮らす祖父母やお子さまの記録を取ることができます。具体的には、薬局で、調剤明細書をもらい、お薬登録ボタンから二次元コードを読み取むと、記録がアプリ上に反映されます。

更に、服薬した時は残したい情報をアプリ上でメモすることができます。例えば、副作用などの体調面も記録ができます。そしてその記録を薬局へ行った際、薬剤師さん側のシステムで、患者さまが入力した情報が見れるようなシステムになっていますので、わざわざ伝える必要がありません。

■ディスカッション

基本機能の説明後、「電子おくすり手帳をより広めるためには?」をテーマに、参加者同士で2グループに分かれてディスカッションをしました。患者さまや医療者など、それぞれの立場からの意見があり、有意義な時間となりました。意見の一部を紹介します。

参加者が出し合ったアイディア

・残薬の管理
電子おくすり手帳で、残薬の管理ができる機能があったらよいなと感じました。現在、残薬は非常に重要な課題です。例えば、まだ飲んでいないお薬が10~20錠あったとします。次病院に行く際、残薬があることを医師や薬剤師が把握できたらその分処方される薬が減り、薬代が安くなりますよね。しかし現状では、残薬を患者さまの口から医療者に伝えることはハードル高く感じてしまう人もいるそうです。そのため前回処方された薬がどれぐらい残っているのかを把握できる仕組みがあったらよいのではないかという意見が出ました。

訪問看護師は、患者さまのお宅へ訪問した際、紙のおくすり手帳にシールが貼られておらず、最新の服薬情報がわからない、家に薬が大量にあるが、今飲んでいる薬がわからない等の問題があるそうで、それを電子おくすり手帳で解決できないだろうかと考えられていました。

・健康データの管理
健康情報と服薬情報は密な関係にあります。健康診断のデータを読み込むと、服薬情報と照らし合わせて体調が良くなった、悪くなったなど身体の情報が知れたらよい。健康診断は、紙で渡されて引き出しにしまってしまうが、手元で管理できるようになったら嬉しい。という声がありました。

・イベントでの紹介
高齢になるにつれて、お薬を飲む人は必然と増えていきます。しかしITリテラシーが低いご高齢の方は少なくありません。そのため、周囲からのおすすめが重要だと考えられます。例えば、薬局や薬剤師からの声かけや、薬局内で患者さま向けに説明会やデモンストレーションができる場所を設けた方が良い、使い方の紹介をイベント形式で行ったらよいのでは、などの意見が出ました。さらには薬局だけでなく看護師やケアマネジャーから勧めてもらう、地域の健康センターなどの場所でイベントを行うなどの声もありました。

グループAの発表の様子


グループBの発表の様子

■さいごに

今回のペイシェントサロンは、患者さまや医療者など、さまざまなバックグラウンドを持つ方々が集まり、それぞれの目線から電子おくすり手帳をどう広められるかについてディスカッションする貴重な機会でした。

harmoでは、電子おくすり手帳のサービスを展開する事業者として患者さまや医療者の声を聴くことは重要です。薬の課題に困っている方々の声を反映させながら、より誰もが使いやすいサービスを実現するために、私たちは共に取り組んでいきます。

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