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花の季節を待つ

ギターのチューニングをすると、全て音が合ったままだった。たいていいつも6弦が低くなっていることが多かったのだが。
そんな本日の練習は、出かけなければならないので短時間だけである。

それにしても、先のおおきな地震でも持ちこたえてくれたので、ほんとうに細君はたいしたものである。そのときは、変わらぬ姿にほっと胸を撫で下ろしたものだった。
倒れたのはほんの軽いものだけで、ほかに本など、重いものはほぼ影響がなかったので助かった。横揺れに続いて縦揺れとは、ほんとうに恐ろしい。

新幹線も封じられてしまった。
経済的、社会的には困ったことであるけれども、実を云ってしまえば、わたしは少々安心してしまったのだった。
ただの身勝手な個人的理由である。どこにも行かなくて済むから。その絶対的不可能な理由が生まれたから。

そんなことを云いつつ、ほんとうは一番ここを離れたいのだ。なんとも矛盾しているが。

わたしは自由ではない。うまく、動くことができない。足りないものがありすぎるのだ。
それを補うため、いまは身を潜め、じッとしている必要があるのだ。

また先日雪が降り、春がまた遠のいてしまった。
祈るように、静かに待っている。
わたしの一番好きな季節。それまで。

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