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揺らぐ足先

あなたの魂を捕まえておきました、と淡青色の天使は云った。
しかし、いまわたしの身体に戻そうとしても、するりと通り抜けてしまって、すんなり収まってくれそうにない。だからしばらく彼に預かってもらうことにした。
中空に浮かぶ彼を、器だけのわたしは地に足をつけたまま、ただぼんやりと眺めている。その足元さえたしかなものではなく、容易く揺らいで、いまにも脆く崩れ落ちてしまいそうだ。

うすぼんやりと膜が張っているようで、脳はまるでこの世のものではないみたいだ。どこにもいない。なにもない。欲しいものはなにも手に入らない。たしかなことはわたしにはギターがある、ということだけ。
かたちだけがただ残っている。

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